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伝統は今を生きる

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【ライター】たかつじゅんや 愛知県三河エリアでフォトグラファー/映像作家として活躍する同氏。伝統工芸にまつわる映像制作や商品プロデュースに関わる彼が「暮らしの中で伝統工芸を愛用す… もっと読む
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記事一覧

古き良き「単館系ミニシアター」で映画を観よう

伝統は今を生きる vol.32 みなさんこんにちは。フォトグラファーのたかつです。 ジメジメと蒸し暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 熱中症にもなりやすい季節なので、僕も特に日ざしの強い日は水分補給と涼しい場所で過ごすことを心がけています。 そんな季節におすすめの場所があります。 それは「映画館」です。 今回はその中でも、昔ながらの古き良き「ミニシアター」を訪れてみたいと思います。 映画館の思い出とミニシアター 日本の映画館は大きく分けて、ショッピン

伝統工芸と伝統工芸がコラボ!地元サウナ向けに「オリジナルサウナハット」をつくってみた

伝統は今を生きる vol.31 みなさんこんにちは。フォトグラファーのたかつです。 日中気温が30度を超える日があったかと思えば、朝夕はいきなり寒い日があったりと、カラダが参ってしまいそうな日が続いておりますが、体調など崩されていないでしょうか。 僕も仕事柄、外で撮影することが多く、日や朝晩でこれだけ気温差があったりすると頭痛に悩まされたり何かと体調に変化が起きやすいです(年でしょうか…?) それはさておき、僕は以前よりカラダのリフレッシュ方法として「サウナ」をよく利用

徳川家康が愛した香りで癒される

伝統は今を生きる vol.30 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 4月になり新生活が始まりました。 町中にはフレッシュな若者達が溢れていて本当に清々しいですね。 新社会人や新入学生のみなさん、おめでとうございます。 これからの皆さんの活躍を心よりお祈り申し上げます。 僕が新人だったのはだいぶ昔のことですが、今もその時のことを鮮明に覚えています。 色々と先輩方や上司に迷惑を掛けた生意気な若者でした。 新生活というのは夢と希望に満ち溢れ、ワクワクしたものです。

「伊勢木綿」唯一の織元は、ゆっくり、したたかに生き続ける

伝統は今を生きる vol.29 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 日中は暖かくなり、例年より早く桜の季節となりましたね。 仕事は変わらず忙しいですが、こんな気候になってくるとどこか小旅行したい気分になってきます。 今回は愛知から少し足を伸ばして、三重県津市にある伝統工芸「伊勢木綿」の織元さんを訪問。伊勢木綿の今についてお話を伺ってきました。 僕は愛知県の伝統生地である知多木綿でサウナハットやコーヒーフィルターなどをつくって販売するほど「木綿大好き人間」なので、今

“いなりの日”に豊川稲荷へ行ってみた

伝統は今を生きる vol.28 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 暦の上では春です。まだまだ明け方や夜は冷えますが、日中は気温も少しずつ暖かくなってきました。スーパーには春野菜も並び出しましたね。 暖かくなってくると、出かけたくなるのが人というもの。今回は初詣にはちょっと遅いですが「いなりの日」に、愛知県豊川市にある「豊川稲荷」へ行ってきました。実は僕の曽祖父母が豊川稲荷の門前で金物屋を営んでいて、子どもの頃はよく曽祖父母の店先で遊んだものです。 毎月17日は

三英傑も食べていた⁉︎ 愛知の伝統的なお雑煮をつくってみた 

伝統は今を生きる vol.27 新年あけましておめでとうございます。フォトグラファーのたかつです。 みなさまにとって素晴らしい一年になることを心よりお祈り申し上げます。 さて、新年といえば様々な伝統文化や行事がありますが、今回は「お雑煮」についてお話できればと思います。 そもそも お雑煮はいつからある? 今ではお正月の定番となっている「お雑煮」の始まりは、平安時代だと言われています。年神様に供えた餅や里芋、にんじん、大根などを、その年の最初に井戸や川から汲んだ「若水」

江戸時代のお鮨はおにぎりサイズ!? 
酢と鮨の歴史を味わう「尾州早すし」

伝統は今を生きる vol.26
 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 いまや世界中で愛される和食の代名詞となった「お鮨」。連日テレビや雑誌などで様々な情報を得ることができますが、皆さんは愛知県半田市に江戸時代のお鮨を再現した「尾州早すし」なる郷土食があることをご存知でしょうか?今回はそんな尾州早すしを食べることができる「豊場屋 南店」を訪れてみました。 半田の粕酢が、お鮨を庶民のものにした 尾州早すしとは、江戸時代に実際に屋台で食べられていた「早すし」のレシピをも

樽の中に広がる癒しの宇宙 〜岐阜県大垣に伝わる「蒸気風呂」で蒸された日

伝統は今を生きる vol.25 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 僕が“サウナ好き”というのは、以前からこの場で発信していました。昔ながらの銭湯文化の復興に取り組む人を取材したり、三河木綿を使ったサウナハットを作ったり… 今回取材したのは、200年以上前から一部の地域で伝わってきた“蒸気風呂”。現代ではスチームサウナに近いものだと思いますが、そんな日本古来の蒸気風呂を受け継ぐ温熱施設が岐阜県大垣市にあると聞き、早速行ってきました。 水の都、俳句の里、サウナーの聖

保存期間は1000年以上!? カメラ好きに伝えたい、神の紙「伊勢和紙」

伝統は今を生きる vol.24 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 いま僕はとある仕事の打合せをしに三重県伊勢市に来ています。 いつもは車で行くのですが、今回は電車の旅。 名古屋から近鉄特急に揺られること約1時間30分で到着するので、程よい距離感です。 打合せの前に少しだけ伊勢の町を散策しました。 こちらに来る際は伊勢神宮やおかげ横丁に直行というルートが定番だったため気づかなかったのですが、伊勢市駅前には渋い建物や味わい深い商店街などがあり、とても懐かしい空気が流

万年筆から道具を愛する心を学ぶ ーー9月23日は「万年筆の日」

伝統は今を生きる vol.23 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 みなさんは最近、文字を書いていますか? なんだか変な質問ですって? いえいえ、よくよく自分の毎日を振り返ってみてください。 スマホやパソコンで文字をタイプすることはあっても「書くこと」はとても少なくなっているのではないでしょうか?小学校でも授業の教材として、当たり前のようにタブレットやパソコンが導入されているそうですね。 会社での立場上書面に文字を書く機会が多い僕でさえ、最近はめっきり字を書く機

古えのカメラで記念撮影を 〜寫眞館(しゃしんかん)活動報告

伝統は今を生きる vol.22 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 今回は、僕が最近取り組んでいるお仕事の話をしたいと思います。 それは、昔ながらのカメラを使用した寫眞館(写真館)の企画です。 みなさんが住んでいる町にも「写真館」があるのではないでしょうか? 入学式や七五三など、何かの記念やお祝いにめかしこんで写真を撮りに行く場所です。 一度は利用したことがあるという方も多いのではないでしょうか。 しかし近年、以前はどこの町にも必ずあった写真館が少しずつ減少して

「暖簾(のれん)」の入り口をくぐってみた

伝統は今を生きる vol.21 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 みなさんの身近には「暖簾(のれん)」ってありますか? 家には無いとしても、この日本に暮らしている限り「見たことがない!」という方はいないのではないかと思います。実は僕のスタジオには暖簾があって、他の方よりは身近な存在だったりするのですが、実は暖簾についてはほとんど知らないことばかりです。今回は改めてそんな暖簾について調べてみたいと思います。 実は「暖簾」は日本特有の文化 そもそも暖簾とはどういうも

サスティナブルをファッショナブルに 〜草木染めに染まる

伝統は今を生きる vol.20 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 ついに「伝統は今を生きる」の記事も20回目となりました。日頃ご覧いただいている皆様ありがとうございます。これからも「伝統」について知ってもらえる記事を発信していきますので、応援よろしくお願いいたします。 さて、記念すべき今回の記事は、伝統的な染色技法「草木染め」についてご紹介します。 近年は「サスティナブル社会の実現」というテーマが注目されていますが、この草木染めという伝統技法もサスティナブルの

鰻屋さんに聞く「美味しい鰻のすゝめ」

伝統は今を生きる vol.19 記録的な早さで明けた今年の梅雨。そして猛暑。 節電で冷房の稼働を抑えなければならない社会状況もあり、ちょっとバテ気味なフォトグラファーのたかつです。 「なにかスタミナのつくものを食べて、何とか酷暑をのりきりたい…!」 遠くむかしのご先祖様も、そう思ったのかもしれません。 ということで、今回は日本の伝統的なスタミナ食「鰻」についての記事を書いてみたいと思います。 鰻の歴史 そもそも日本人が鰻を食べ始めたのは、紀元前5000年前の縄文時代か