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伝統は今を生きる

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【ライター】たかつじゅんや 愛知県三河エリアでフォトグラファー/映像作家として活躍する同氏。伝統工芸にまつわる映像制作や商品プロデュースに関わる彼が「暮らしの中で伝統工芸を愛用す… もっと読む
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#愛知県

三英傑も食べていた⁉︎ 愛知の伝統的なお雑煮をつくってみた 

伝統は今を生きる vol.27 新年あけましておめでとうございます。フォトグラファーのたかつです。 みなさまにとって素晴らしい一年になることを心よりお祈り申し上げます。 さて、新年といえば様々な伝統文化や行事がありますが、今回は「お雑煮」についてお話できればと思います。 そもそも お雑煮はいつからある? 今ではお正月の定番となっている「お雑煮」の始まりは、平安時代だと言われています。年神様に供えた餅や里芋、にんじん、大根などを、その年の最初に井戸や川から汲んだ「若水」

盆栽は、もっと自由に楽しめる

伝統は今を生きる vol.14 春のとある日のことです。 僕は撮影の仕事で、東京西麻布にある高級スーツテーラーのアトリエを訪れていました。 そのとき見かけたのが、高級感のあるクラシックな内装の中に置かれた見事な「盆栽」。 「かっこいい…」 心の中でつぶやいて、思わずシャッターをきっていました。 和のものである盆栽が、こうも洋式のインテリアに合うなんて。 「盆栽=和」という、僕の中の固定概念が音を立てて崩れ落ちた瞬間でした。 オーナーにアトリエに盆栽を飾っている理由を聞

伊勢和紙で写真印刷を楽しもう

伝統は今を生きる vol.12
 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 突然ですが、みなさんは「和紙」って使ったことがありますか? 手紙をしたためる際の便箋以外で和紙を普段使いしている方は少ないかと思いますが、実は東海地方には「美濃和紙」「山中和紙」「小原和紙」「三河森下紙」「伊勢和紙」「深野和紙」とさまざまな和紙の産地があります。 今回は、その中の「伊勢和紙」を生活に取り入れてみます。三重県伊勢市に古くから伝わる由緒正しい和紙です。 伊勢和紙との出会い僕が伊勢和

「知多木綿」をふだん使いしよう

伝統は今を生きる vol.11
 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 みなさんはいま着ている服がどこで作られたものか、ふだんから意識していますでしょうか? 中国、インドネシア、ベトナム、そして日本… 私たちがふだん着ている服は様々な国や地域で作られており、最近の世の中の流れもあって「どこで作られた服なのか」が購入の際のひとつの目安になっている方も少なくないのではないかと思います。 それでは、いま自分が着ている「服の生地」がどこで作られたものか考えたことはあります

和蝋燭のやさしい光を防災に

伝統は今を生きる vol.10
 こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 僕が連載させていただいている『伝統は今を生きる』も、記念すべき10回目を迎えることができました。これも日頃から応援してくださる皆様のおかげです。 本当にありがとうございます。 さて、今回は「防災」についての記事を書いていこうと思います。 3月と言えば、忘れてはいけないのが「東日本大震災」。 2011年3月11日に東北地方で大地震が発生。12都道府県で18,425人もの死者・行方不明者が出てし

「カジュアル茶道のススメ」 伝統は今を生きる vol.09


こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 今回のテーマは「お茶」。 緑茶でも甘いグリーンティーでもなく、お抹茶。千利休が世に広めた茶道文化に少しだけ触れてみたいと思います。 僕の母親は茶道を少々嗜んでおり、幼いころから意外とお抹茶は身近にありました。もちろん飲む機会もあったので何度か口にはしたのですが、その頃は正直あの味が苦手でした。「美味しいと言っている人はカッコつけているだけなんじゃないか」そう思ってさえいました。生意気な子どもですね(笑) それに母が言う「作法」とい

「レコードの音と癒やしの時間」 
伝統は今を生きる vol.08

こんにちは。フォトグラファーのたかつです。 みなさんは音楽、聴かれますか? 僕は車の中や移動中、スタジオ等でよく聴きます。特に撮影の際には気分を盛り上げるため、音楽は必要不可欠な存在です。 今回は以前に取材した人蔘湯さん(Vol.5参照)を運営されている湊代表に、豊川にある素敵なレコード店「LiE RECORDS(ライレコード)」をご紹介いただいたので、そちらを取材しながら古き良きレコードの魅力について書いていきたいと思います。 レコードの歴史 僕自身、学生時代に音楽を

「豊橋の人蔘湯で、銭湯文化にどっぷり浸かる」 
伝統は今を生きる vol.05 

こんにちは。フォトグラファーの たかつです。 vol.4でもお話ししましたように、偶然にも同時期に重なってしまった自宅とスタジオの引越しも、ようやくひと段落しました。 しかしながら重い家具や機材を運び、スケジュール的にも無理をし過ぎたのかカラダの節々が悲鳴をあげている状態に…。そんな時にふと思い出したのが、豊橋市にある銭湯『人蔘湯(にんじんゆ)』さんのことでした。 人蔘湯は1950年頃に営業を開始。ながく地元で愛されていたのですが、設備の老朽化が理由で2020年9月に一