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物語をさがして

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【ライター】ニシハマカオリ 愛知県日進市在住。小学校教諭を経て現在はイラストレーター・絵本作家として活躍中。地域に伝わる物語を紐解いたり、書き手や出版社にインタビューしたり、物語… もっと読む
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#絵本作家

くすのきさん

物語をさがして vol.21 見知らぬ場所に行って、枝ぶりのよい樹木やスケールの大きな巨木を見るとなぜかわかりませんが「おお!」と感動し、写真を撮りたくなってしまいます。樹齢は何年だろう、どんな景色を見てきたんだろう、いろいろと想像をかきたてられ、畏敬の念さえ感じてしまいます。 そんな大木は、神社や大きな公園によくみられるものという印象がありますが、名古屋の街中にも、推定樹齢千年と言われる木があるそうなんです。 今日は、松原緑地の大きなクスノキ(愛知県名古屋市中区松原1

摩伽神さんと龍の石庭

物語をさがして vol.19 摩伽神さん。 まかじんさん、と読みます。 なんとなく、印象に残るふしぎな響きです。 どんな意味があるのかは分かりません。 「摩伽(まか)」の響きは般若心経の「摩訶波羅蜜多」(まーかーはーらーみーたー)を連想させます。 もしも仏教の言葉から由来しているのなら、「マカ(摩訶)」は大きいこと、優れていること、偉大なことを意味するのですから、「摩伽神」は「とても偉大な神様」といったことが示されているのかもしれません。 愛知県みよし市の福谷(うきが

2022お月見どろぼうウォッチ

物語をさがして vol.17 こんにちは。10月になり、いっそう秋が深まってきたようです。 9月の記事(vol.15 お月見どろぼうが来た!)では、住んでいる地域に伝わる「お月見どろぼう」の風習をご紹介いたしました。 今回は、中秋の名月の日に、「お月見どろぼう」の様子を見て回ってきましたので、その様子をお伝えします。 今年、2022年の中秋の名月は9月10日土曜日。 この地域は運よく晴れました。 「お月見どろぼう」は中秋の名月の日に行われます。一般に月がきれいな時期な

ニワトリ石の声をもとめて

物語をさがして vol.16 物語の題材を求めて昔話を読むと「石」をモチーフにした話が実に多い。これまでに取り上げた近くの石は「猪の姿の猪子石」「長久手の床机石」・・・ 気になりだしたら今度は石の話を探し、石のことばかり考えているイシハマカオリです。 そういえば小学校の頃、同級生にイシハマさんがいたっけ。発音がよく似ているのでよく聞き違えられましたが、あの歌の上手だったイシハマさんはお元気でしょうか。と、意識があちこち飛び石状態ですが、今日は豊田の田籾町に「鶏石」なる石

くすとじぞうときつね

物語をさがして vol.10 以前の取材(vol.08田島征三アートの冒険展へ)で刈谷市美術館へ向かう途中、県道57号線を通って豊明市に入ったところで、懐かしい風景に出会いました。豊明消防署向いに広がる田んぼの中にどんと生えている一本のクスノキ。 学生の頃にこの近くに住んでいたので、家庭教師のアルバイトに行く途中、スクーターでこの横をしょっちゅう通り過ぎていました。あれからもう30年近く経っているというのに、ぜんぜん変わらないこの風景にびっくり。近くにドライブスルーのカフ

「クリエイターインタビュー:子どもの楽しい未来を描く絵本作家 ニシハマカオリさん」 子どもとアートと vol.07

「わあ、かわいい!」 到着するなり、つい言葉が出てしまった、この表札。 今回のインタビューは、愛知県日進市在住のイラストレーター&絵本作家のニシハマカオリさんにお話を伺います。 ニシハマカオリさんは日進市の地元の風習を紹介した『おつきみどろぼう』(三恵社)などの絵本をはじめ、書籍のイラストレーションや挿絵など、数多くの作品を手がけていらっしゃいます。 SNSのお写真でも拝見してずっと憧れだったご自宅兼アトリエに、このたびお邪魔させていただきました! カオリさんとの出会いは