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花と、私と、フランスの日々② 花の都パリへ!


“花の都“。

この言葉を聞いて、みなさん思い浮かべるのは、きっとこの街なのではないでしょうか。

そう、ここはパリ。
前回のフランス編:田舎の風景

から少し時間を巻き戻し、パリの様子やその他にも訪れた街の様子をお届けします。

冒頭に書いた、“花の都”という言葉。
実はこれ、街に花が溢れている!のではなく、都を指す枕詞だというのはご存知でしたでしょうか?

所以には諸説ありますが、ナポレオンによる大改革の後の1800年代後期~1900年代初頭、多くの芸術家がこの街に集まりました。芸術や文化が栄え、社交界が華やかに活気付いた様子をみた日本人がパリを「花の都」と呼ぶようになったそうです。実際、パリの街は草花よりも、公園の樹や街路樹の葉の印象が強いのですが、美しい建築を背景に、街路樹の葉が風にそよぐ姿はやはり格別に美しいです。

とはいえ、花の存在はフランス人にとってはとても身近で重要なもの!特別なお祝いだけではなく、ちょっと食事にお呼ばれした手土産に、仕事帰りに自宅用に、お気に入りのフラワーショップで花を買って帰る、というのが日常なのです。

ここ、パリでもその文化はしっかり根付いており、著名なフローリストも多く存在します。日本では、”ヨーロッパスタイル”、“パリスタイル”が長年愛されているし、日本から技術を学びにパリに花留学をする、という方も多いですね。


多くのフローリストを輩出するムッシューのお店へ


今回のパリ滞在は展示会出展が目的だった為、あまり自由に動き回れなかったのですが、その中でも運良くお邪魔することができたお店をご紹介します。

Georges Francois Fleurs
https://georges-francois.fr/
36-38 Rue Delambre, 75014 Paris, フランス

たくさんのお花で飾られた入り口を進むと、アンティークな調度品のそこかしこにお花が。


こちらは数多くのフローリストを輩出している、日本でも有名なフラワーショップ。日本からの花修行の受け入れも長年されています。かくいう私も実は、数年前に花の修行の為の留学を迷っていた時、研修先として候補にさせていただいていた時期があり、お名前を存じ上げていました。まさかこんな形でお伺いすることになるとは、人生何がどうなるか、面白いですね。

今回は打ち合わせの合間、駆け込みでお邪魔してしまったのですが、突然の訪問にも快く受け入れてくださるムッシュー・ジョルジュ。にこやかに花仕事をしている姿を特別に見せていただきました。

日本人の方も数人働いていらっしゃり、皆さんとても親切にお話をしてくださりました。今回は時間があまりにも短かった為、またいつかしっかりとお話を聞いてみたいです。
皆様、お忙しい中ありがとうございました!


パリの美しい街並みと花


その後、リサーチついでの観光も兼ねて街中を散策するのですが、やはりどこを見ても美しいのは、建物の統率がしっかり取れているからなのか、夏の青空のせいなのか。

街中にはフローリストが点在するのですが、そこかしこで花束を持った男性を見かけます。
これからディナーなのか、颯爽と花束片手に歩いていく姿はとてもナチュラルで、素敵だなぁと思います。日本でもこんな風景が日常に見られるようになると、幸せな時間が増えそうですね!


花屋さんで印象的だったのは、切り花だけではなく、必ず鉢植えの花も販売していること。日本でももちろん販売するお店は多いのですが、街中のお店は特に、観葉植物や多肉などのイメージが強いからでしょうか。なぜだか新鮮に映りました。

ちなみに、フランスの小さな街のスーパーにも、必ず一画に切り花と同じかそれ以上のスペースで鉢植えの花も販売していました。日常の買い物で、気軽に“このカラーを庭に植えてみよう“と購入されている現場も目撃したのですが、地植え、鉢植え、切り花…ジャンル問わず、”花が普段から身近にある生活“ というのが垣間見える瞬間も多かったです。



店舗の装飾には造花のデコレーションが多くみられました。


それから、これは個人的なつぶやきですが、

たまに、街路樹の様子が変です(笑)。なんというか、手入れの力の入りようがすごいのです!

また、こちらは花とは関係ないですが、せっかくなので、これぞパリ、という写真も少しだけ。

夕暮れに染まる凱旋門に、ライトアップされたエッフェル塔、セーヌ川から見上げる街の風景、エッフェル塔からの素晴らしい夜景…。

ここぞとばかりにとにかく満喫してきました!

美しいパリの街。まだまだご紹介したいところは沢山なのですが、今回はフランスの旅で訪れた各都市についてもご紹介します。これから徐々に海外にも行きやすくなるのでは、という期待を込めて、少しでも参考になれば幸いです。


パリだけじゃない!美しい街が点在するフランス北部の魅力

【Amiensアミアン】

パリから北へ2時間弱の小さな街、アミアン。観光地としては少し規模が小さいかもしれませんが、こじんまりとした中にも美しさが宿る街です。
中心部にあるノートルダム大聖堂は、華やかな装飾が施されとても美しく、街のシンボルとなっています。そして、この川沿いの風景がとても印象的。

この川沿いにレストランが密集しており、暑い中にも感じられるそよ風を感じながら、この景色を見ながらテラスで食事ができます。

ノートルダム大聖堂のプロジェクションマッピングが壮大でした。

【Lillリール】

アミアンからさらに北へ、1時間半。
ベルギーとの国境に程近い、リールという街をご存知でしょうか?意外と知られていないのですが、フランス3番目のビジネス都市と言われる観光都市だそうです。

この時はたまたま3年に一度の文化イベントが開催されていて、街中にテーマに沿ったアートが点在していました。今年のテーマは『Utopia』。苔の世界の住人たちの物語をベースにしたアート展。リールで人気のゴーフル屋さん、「Méert」のパッケージにも描かれていました。バニラの効いたクリームがしっとりとしたゴーフルに挟まれて…とても美味しかったです!

この他にも蚤の市や、ベルギー文化も混ざったここならではの建築や食事も人気の街なのだとか。


フランス南部、オススメの街

リールをでた後は北部を離れ、南部へ向かいます。←この様子は前回の記事も合わせてご覧ください。

【Toulouse】

スペインに程近いフランス南西部の街。
こちらも日本ではあまり有名ではないのですが、都市圏としてはフランス4番目の規模で航空産業の中心地となっています。
『バラ色の街』という異名があり、街を形成する建築のレンガがその所以となっています。

この街は私もお気に入りで、今までにも2度訪れています。残念ながらの曇りでどんよりしていますが、晴れた日は最高に気持ちよく、街中で見られる樹々が特に美しいです。少し歩けば植物庭園や生物学に関する大きな博物館、日本庭園もあり、見所は満載なので、おすすめですよ。

独自のセンスを存分に活かしたフラワーショップもあり、パリでも見たような造花アレンジのショップデコレーションが多かったです。

以前の記事[植物の力を借りる①]

でも話題にした、「植物療法」が身近に感じられるお店。薬局とハーブラボが一緒になっていることが多く、ここで気になる症状に合わせてハーブを選ぶことができます。

さて、ここから舞台は南フランスへ!

【Arles アルル】

フェインセント・ファン・ゴッホがポール・ゴーギャンと短い間共同生活をしながらお互いの絵を高め合ったという場所です。ここで描かれたこの絵はあまりにも有名ですね!


夜のカフェテラス

このカフェは今も現存しており、多くの観光客がここを目当てに訪れていました。
(私もその一人)

ゴッホ作品ももちろん有名なのですが、歴史的な建造物でもある円形闘技場を筆頭に、ロマネスク様式建造物群が世界遺産に登録されていたりと、こちらも見どころ満載な街。

街全体が歴史を感じ美しく…かと思えば若手のアーティストが集まっている気配もあり、アートギャラリーやセンスの良いショップなども密集していて、散策していてとても楽しかったです。また訪れたい街でした。


【Saiint-Remy-de Provence サン=レミ=ド=プロヴァンス~ Les Baux de Provence レ・ボー=ド=プロヴァンス】

アルルから車で30分ほど移動してサン=レミ=ド=プロヴァンスへ。ゴッホが療養していたサンポール=モーゾール修道院があります。(わかりやすくゴッホファンのルートを辿る私。笑)

この地域では、ゴッホが情熱を注いだ糸杉もたくさん見られます。

プロヴァンスの街々は、その気候からか、南部特有のおおらかさが感じられてとても居心地がよく、街自体もパリとはまた違う美しさが宿ります。

サン=レミから目と鼻の先のボー=ド=プロヴァンスへ移動すると、また違った景色が見られます。ボー=ド=プロヴァンスはアルピーユ山脈の中にあり、岩肌にそびえる街はとても壮大な景観を持ちます。あたりは一面、オリーブ畑。温暖な気候ですくすく育っているオリーブの樹を見ると、とてものどかな気持ちになりますね。

街名の“Baou ボー“ とは、フランス語で”美しい”という意味。まさにその名が似合う街並みでした。


気になる街を『花や植物』の目線で見る


みなさん気になる街は見つかりましたでしょうか?
規模の大小問わず、フランスには本当に美しい街が点在しています。そして、みなさんお気づきかもしれませんが、ぱっと見は同じように見える街も、それぞれに個性や歴史があって、他の街との違いを探しながら周遊して見るのも面白いのです。

南フランスと呼ばれるアルル~以降は、街の壁に植物がつたう姿がよく見られました。
北部と南部では土質も違うのか、気候のせいなのか、自生する樹々や植物も少しずつ違ったり、農産物として栽培しているものもガラッと変わります。かと思えば絶対にどの街にも生えてる樹を見て安心感を覚えたり。

フランスに来てよかったなと思うのは、街だけでなくそこで暮らす人々のこういった自然な姿が見られたこと。

何歳になっても、ナチュラルに、気持ちを伝えたり、寄り添ったり。そういう自分でありたいな、と思うのでした。そして、そこに花があると、私は嬉しいのです。

まだまだご紹介したい美しい場所がたくさんあるのですが、この先はまたいつか、みなさんのお気に入りを是非探しに行かれて見てください。街の美しさ、文化の違い、食。いろんな切り口で海外を見るのは楽しいですが、そこに一つ、『花や植物』の目線も加えて見てくださいね!



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