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植物の力を借りる② 植物セルフケアMANARIに学ぶ、東洋思想×フィトテラピー

花、暮らし、私 vol.14

前回の記事では「植物療法(フィトテラピー)」について、身近な薬草を知るところから始まりました。

「花が好き」から始まった私の植物への愛は、知れば知るほど、その美しい見た目だけでなく、香りやエネルギー、生命の神秘の部分まで、どんどん深部へと潜っていくのを感じています。

とはいえ、植物療法を専門的に学ぶには、なんとなく大きな壁を感じてしまっていたのも正直なところ。

特に身体へ直接作用するような植物のことは、きちんと学ばないと、ちゃんとした効果が得られるのかどうか不安もありました。いち個人で生活に取り入れるには難しいのではないか?そう思ってしまっていたのです。

そんな壁を感じながらも、突破するきっかけはないかなぁ、なんて考えていた矢先。
名古屋市主催のある勉強会で出会った女性が、まさにその壁を取り払ってくれるような活動を行っていました。

その女性は株式会社フィトレメディ代表の溝渕史乃さん。

子育てママでありながら、オーガニックコスメメーカー勤務の経験と、植物療法やマクロビ、漢方などを広く学んで起業された方です。

今回はそんな溝渕さんが立ち上げた、ハーブやアロマなど植物を活用したセルフケアを提案するブランド「MANARI」のことを辿りながら、生活に取り入れやすい植物療法について、お話を伺っていきたいと思います。

“植物を活用したセルフケア”を提案するMANARIとは

それまでの学びや子育ての経験から、「植物療法をライフスタイルに気軽に取り入れることができるアイテムがもっと世の中に必要なのでは」と思い立った溝渕さん。コスメブランドMANARIを立ち上げ、植物を活用したセルフケアアイテムの商品開発をスタートしました。

MANARI https://manari-jp.com

約2年の実験・開発期間を経て発売された最初のプロダクト「Energy Veil Cream(通称EVクリーム)」は、100%植物素材。肌に不要と思われるものは一切入れず、使う人の状態に合わせて、植物のもつ心地よさやエネルギーをスキンケアで味わうことができるマルチクリームです。

こちらのプロダクトはクラウドファンディングでプロジェクトが発表されるやされるやいなや、すぐに目標達成を果たしました。「達成率409 %」という驚異的な数字が、その期待値の高さを物語っています。

薬局でもドラッグストアでもない。
“植物セルフケア”という第3の選択肢を日常に増やしたい。

そんな想いが詰まったMANARIのアイテムは、植物療法だけではなく、多角的に植物の事を学ばれてきた溝渕さんならではの東洋思想がその根底にあるようです。

――MANARIを立ち上げるより以前に、もともと植物療法を学ばれていたそうですが、その道を学ぶに至ったきっかけはなんだったのでしょうか?

溝渕:私が20代の頃、長時間労働で疲れ果て、オーガニックコスメが一つの癒しだった時期がありました。その香りに心身癒されたこともあり、30代ではオーガニックコスメメーカーに勤めるほどハマりました。

しかし産後すぐに仕事復帰した頃、いわゆるワンオペ育児の状態になってしまいました。体調不良が長く続き、すぐに貧血になるし、病気はもらってしまうし、子どもも原因不明の肌荒れをたびたび起こしていました。

その頃から、オーガニックコスメのように外から取り入れるだけではなく、もっと身体の仕組みから学び、心と身体の両方から、美容と健康を捉えたいと思うようになりました。

――そんなご自身の経験から、植物療法の道に進まれたのですね。すべてイチからだと思いますが、どのように学びを?

溝渕:まず、食べて植物のエネルギーを身体に取り入れる「マクロビオティック」。そして
西洋の植物療法を学ぶ中で、もう少し東洋の植物や考えについても学びたいと思い、「漢方」についても総合的に学んで行きました。

――MANARIのプロダクトにも、”成分同士の相乗効果”や“攻めと守り”など、単一のものや考え方ではなく、互いに作用し合う重要性が感じられるワードが多く見られました。

溝渕:漢方もマクロビも、東洋思想がベースにあり、陰陽五行の考えが根底にあります。

「上と下」や「裏と表」、人間の身体でも「交感神経と副交感神経」など、世の中のものは相反する二つのもので出来ていて、絶妙なバランスの元に調和を保っている、というのが陰陽の考えです。

西洋医学では、人の体を分解しながら解き明かしていくのですが、東洋思想では全体性やバランスを考えていきます。緩んでいたらしめる。振り子が右に振りすぎたら左に戻す。炎症を起こしたら鎮める。鎮んでいる時は活性させる…お仕事や人間関係、ものの見方でも、この東洋思想の考えはとても役に立ちますね。

そんな陰陽五行の「全体性を考える」というベースが私の中にあって、MANARIのプロダクトもこの考えをもとに使う植物を選んでいくことで、効果的に作用させることができるんです。だからMANARIのプロダクトは、その時の自分の状態によって選べるように作られています。

MANARIのプロダクトについて  https://manari-jp.com/pages/ev-cream

溝渕:肌に良い作用を及ぼす植物をとにかくたくさん入れるというやり方で処方するコスメも多いですが、MANARIの場合はそういう処方の仕方はしていません。炎症傾向であれば、鎮静を意図した処方に。お肌が停滞気味であれば活性を意図したものを用意しています。後はお子さまでも安心して使えることも大事にしていますね。

―― 一見ハードルの高そうな陰陽五行や植物療法をスキンケアコスメで日常に取り入れられるのは嬉しいですね!また、すべてのプロダクトで “ビワの葉”にをキー成分とされていると伺いましたが、どんな魅力があるのですか?

溝渕:コスメ開発のきっかけとなったのが娘の肌荒れだったのですが、ある事がきっかけでビワの葉エキスの効果を体験したことが決め手でした。それからビワの葉について調べ上げ、我が子や肌荒れにお悩みの方の協力を得て試作を重ねてきました。

もちろん、ビワの葉があれば全てに効くということではなく、普段の生活習慣の改善が何より大切です。漢方では咳止めとして使われるビワの葉ですが、コスメとしてはお婆ちゃんの知恵止まりで活用が進んでおらず、これをコスメとして使いやすい形にすれば、人の役に立てる製品になるのではないか?とキー成分に取り入れました。

ビワの生産地もこだわり抜いて、いい農場を見つけました。ビワ生産が盛んな長崎県で、海と山に囲まれ、ミネラルの多い潮風を受けて育った、本当にクリーンな品質の良いビワの葉を作られている農場なんです。

そこで端正込めて育てられたビワの葉を、地元の社会福祉法人施設の方々が一枚一枚丁寧に手入れをしていて、その葉をMANARIでは活用させていただいています。

――「娘さんを肌荒れから守りたい」という思いから、こんなに素敵な製品が生まれたんですね。このほかにも、植物療法の知恵や考えを生活に取り入れているシーンなどあれば教えてください!

溝渕:私が一番よく使うのは、エルダーフラワーですね。鼻炎やアレルギーに良いとされています。花粉や模様替えの時などにも効果的なので常備しています。
簡単な使い方としては、エルダーフラワー大さじ1杯に200mlの熱湯を注いでください。しっかり色が出るまでお茶を淹れることが大事で、成分をしっかり取り込む事ができます。お茶を淹れる際に出る湯気にも成分が入っているので、香りを嗅ぐだけでも鼻がスッとしてきますよ。

それから、我が家ではイソジンがわりにティーツリーの精油を使っています。抗菌作用が高く、うがいするお水に1滴垂らして使います。精油は基本的に肌に直接塗ったり飲用したりはできないのですが、メディカルグレードのティーツリーならOK。子供にはよくマキロンの代わりにティーツリーを使っています。
頭痛がひどい時には頭痛薬ではなく、ラベンダーの精油をこめかみに塗ったりしています。

――MANARI HPのジャーナルでは、溝渕さんの知識や体験談と共に生活の中で植物を取り入れる知恵や豊かさについて綴られていますね。

溝渕:MANARIは、植物のエネルギーや心地よさを、誰でも簡単に取り入れられるように作ったブランドです。植物の力を凝縮して、深い知識がなくても、心地よく、楽しく生活に取り入れられるように、気軽に選べるようにしています。

ジャーナルでは読んでくれている人の生活が少しでもよくなるように、季節のことを取り入れ、生活のヒントになるような事を綴っています。

MANARIが目指しているところ、それは『その人の人生がその人らしく、心地よく』なっていくこと。その為のサポートをして、『人生をよくしていく』ことです。

自分も一人の生活者。私自身、植物に出会い、植物のエネルギーにとても救われてきました。
私たちは自分でエネルギーを作ることができません。食べ物や植物を取り入れ、自然から多くのものをもらって生きています。
一人では生きられない。そういった視点を持って心地よく生きると、余裕が持てる。自分の行きたい人生を歩める。

そんな自分の気づきを少しずつ詰め込んで、忙しい日常に気づきのきっかけや、人生の伴走者になれるような発信を心がけています。

買ってもらって終わりではなく、MANARIを通して『人生をよくする』サポートの為に、今後は仲間を増やしたり、スクールに取組んだりと色々と考えています。

――植物の力を借りる生き方のヒントをたくさんお聞きする事ができました。ありがとうございました!

植物セルフケアを日常に

溝渕さんから色々なお話を伺って、生活に取り入れやすい知恵、植物の力を借りる生き方やその思想の部分まで、たくさんの気づきをいただく事ができました。

私のように、植物療法が気にはなっているけれど、なかなか一歩踏み出せない、という方もきっとたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

MANARIのプロダクトは使ってみると、香りに癒されることとはもちろん、体が求めている香りを自ら選べるようになる気がします。
そして、植物素材100%の安心感に加え、植物療法や東洋思想からなる知識や知恵の裏付けも私たちの心強い味方となってくれます。

よほどのことがない限り薬を使用せず、身体が本来持っている自然治癒力を活かそうという方にとって、専門知識がなくても取り入れられ、忙しくても気軽に使える植物セルフケア製品のブランドがあることは、とても意義があり、嬉しいことなのではないでしょうか。
私もこれからも少しずつ、植物の力を借りながら、心地のいい生活をして行きたいと思います。

MANARI
HP:https://manari-jp.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/manari_selfcare/

植物セルフケアの学校「PHTTO REMEDY SCHOOL」
株式会社フィトレメディでは、溝渕さんのこれまでに学ばれてきた東洋思想、陰陽五行の観点も取り入れた植物療法の講座を開講されるそうです。今後はオリジナルなカリキュラムにも力を入れていくそうなので、期待大ですね!
※現在募集中の講座(申込み締切:5月17日まで)
https://phytoremedy.jp/events/lebois_fukuoka_220605/



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