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物語をさがして

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【ライター】ニシハマカオリ 愛知県日進市在住。小学校教諭を経て現在はイラストレーター・絵本作家として活躍中。地域に伝わる物語を紐解いたり、書き手や出版社にインタビューしたり、物語… もっと読む
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#神社

出会いの春に訪れたい。ご縁結びの木「連理木(れんりぼく)」

物語をさがして vol.26 こんにちは。あたたかな陽気に春のきざしを感じられるようになりました。進級や進学、異動やそれにともなう転居などで、新生活が始まる方も多いのではないでしょうか。 わたし自身は個人事業主なので、異動はありませんが、一緒にお仕事をしているパートナーやクライアントさんの顔触れが年度で変わることも多く、この季節は新たな出会いの時期でもあります。 そういったわけで、今回は良縁を願い、 新しい出会いや縁結びや恋の願いにまつわる場所についてのレポートです。

くすのきさん

物語をさがして vol.21 見知らぬ場所に行って、枝ぶりのよい樹木やスケールの大きな巨木を見るとなぜかわかりませんが「おお!」と感動し、写真を撮りたくなってしまいます。樹齢は何年だろう、どんな景色を見てきたんだろう、いろいろと想像をかきたてられ、畏敬の念さえ感じてしまいます。 そんな大木は、神社や大きな公園によくみられるものという印象がありますが、名古屋の街中にも、推定樹齢千年と言われる木があるそうなんです。 今日は、松原緑地の大きなクスノキ(愛知県名古屋市中区松原1

摩伽神さんと龍の石庭

物語をさがして vol.19 摩伽神さん。 まかじんさん、と読みます。 なんとなく、印象に残るふしぎな響きです。 どんな意味があるのかは分かりません。 「摩伽(まか)」の響きは般若心経の「摩訶波羅蜜多」(まーかーはーらーみーたー)を連想させます。 もしも仏教の言葉から由来しているのなら、「マカ(摩訶)」は大きいこと、優れていること、偉大なことを意味するのですから、「摩伽神」は「とても偉大な神様」といったことが示されているのかもしれません。 愛知県みよし市の福谷(うきが

石の話~ふたつの猪子石(いのこいし)

物語をさがして vol.11 子どもの頃、住んでいたマンションの駐車場の脇に、細長い植栽スペースがあり、ツバキやヤマモモなどの庭木が植えられていました。私はそこを日中の遊び場にしており、ツバキの花のつぼみを取っては固く閉じたまだ白い花びらを一枚一枚はがして中身を観察したり、ダンゴムシやカタツムリの採集を試みたりと飽きることなく遊んでいたことを覚えています。 駐車場のコンクリートと植込みの間の境目は、石で区切られており、成形したコンクリート石だけではなく、少しだけ庭園風に、