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俳句と暮らす

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【ライター】後藤麻衣子 岐阜出身・岐阜在住のエディター、プロダクトデザイン事務所「株式会社COMULA」ディレクター。趣味は俳句で、俳句のための文具ブランド「句具」を運営。「句」… もっと読む
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2021年11月の記事一覧

「天然の鯛焼きで、冬を頬張る」 俳句と暮らす vol.03

ガチャン、ガチャン!と金属がぶつかり合う音。 もくもくと上がり続ける、どこか懐かしい匂いの白煙。 「こんにちは、お久しぶりですね!」と店主の元気な声。 私の大好きな景色です。 そしてやっぱり、この景色には冬が似合います。 今日、訪ねる季語は「鯛焼」。 岐阜の伊奈波神社参道にある鯛焼き屋「福丸」さんにやってきました。 一年中食べられる鯛焼きですが、実は「鯛焼」は冬の季語なんです。 ほくほくの餡がぎゅっと詰まった熱々の鯛焼き、確かに夏か冬かと問われれば、冬が似合いそうで

「紙の旬、手刷り活版年賀状」 俳句と暮らす vol.02

いつもの景色が、少しずつ冬めいてきました 11月7日に立冬を迎え、冬に入りました。 私が住む岐阜では、長良川鵜飼が10月15日に閉幕し、川も山も、少しずつ冬支度をはじめているようです。 長良川や金華山にほど近い場所に自宅があるので、橋を通るたびに、川や山の表情から季節の移りかわりを感じています。 いつも見ているこの橋からの景色も、どんどん冬めいてきました。 毎日当たり前のように見ている景色でも、同じ色をしている日ってないんですよね。 山肌の表情のちょっとした違いや、川面

「四季の記憶を十七音に」 俳句と暮らす vol.01

はじめまして。 これから、この「みたすくらす」で、文と俳句を綴っていくことになりました、後藤麻衣子です。 わたしは今、編集者・ライターとして、岐阜を中心に活動しています。 現在は工業デザイナーの夫とふたりで、「株式会社COMULA」という小さなデザイン会社を岐阜で経営していて、わたしはライターとして、いろいろな会社さんやアイテムやサービスのコピーを書いたり、取材をして記事を書いたりする仕事をしています。 岐阜出身、岐阜在住。4歳と2歳の息子と夫の4人家族です。 趣味は、俳