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俳句と暮らす

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【ライター】後藤麻衣子 岐阜出身・岐阜在住のエディター。オフィス兼ショップ「work/shop」を夫婦で経営。俳人としても活動し俳句道具「句具」も制作。「句」を暮らしの中で楽しむ… もっと読む
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記事一覧

土地の記憶を、未来へ美味しく手渡す “文化のコーラ”

俳句と暮らす vol.19 シュワっと爽快で、今のように暑い時期に飲みたくなる「コーラ」。 炭酸の効いた「ソーダ水」や「サイダー」「クリームソーダ」などはすべて夏の季語ですが、「コーラ」を夏の季語としている歳時記もあります。 「コーラ」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか。 きっと、みなさん思い浮かべる味はひとつ、あの味だと思います。 でも今、あの味じゃない、個性あふれる“クラフトコーラ”が、今各地で人気を集めているのはご存知でしょうか。 「コーラ大好き!」という

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手を動かしてことばを書き記す、ということ

俳句と暮らす vol.18 パソコンやスマホなどのデジタルデバイスを使うことが多くなり、「ゆっくりと文字を書く」機会が減っている現代。 今この記事もパソコンの画面に向かい、キーボードをカタカタと打ち込んで文章を綴っています。 ひらがなを入力すればパッと漢字にしてくれて、誤字や脱字を親切に教えてくれて。 書いたり消したりコピペしたりも自在で、「やっぱりさっきの状態に戻したいな」と思ったらすぐに時間を巻き戻せて。 私の「書く」というお仕事においては、パソコンやスマホは必需品で

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摘みたて苺のあの味を、パンと一緒に頬張る夏

俳句と暮らす vol.17 スーパーに初物のいちごが並びはじめるのは、毎年12月ごろ。 その頃から、いちご狩りのシーズンも始まります。 凍てついた真冬の空気にいちごの明るさがまぶしくて、「もうそんな季節かぁ」と感じさせてくれますよね。 12月から初物のいちごが出回る現代では「いちごの旬は冬から春あたりでしょ?」と思われがちですが、実は「苺」は、夏の季語なんです。 本来、いちごは初夏のもの 今ではハウスで栽培されるいちごですが、露地のいちごは、だんだんと暖かくなってくる5

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人と人、人とまちをつなぐ、岐阜市生まれのクラフトビール

俳句と暮らす vol.16 小さなビール醸造所で、醸造家が精魂込めて造るビール、クラフトビール。 クラフトビールが地域の魅力のひとつとして定番化し、さまざまなお店で各地こだわりのクラフトビールが飲めるようになりました。 それぞれ、趣向の異なる複雑で個性的な味わい。 醸造家のこだわりを詰め込んだもの、その土地の特産品などを原料に活用したものなど、新しいビールがどんどん誕生しています。 夏もすっかり深まり、まもなく夏も折り返しの「夏至」。 「ビールがおいしい季節になったね!

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楼門のむこう、川に神の岩が鎮座する「洲原神社」

俳句と暮らす vol.15 大切なひとにだけ耳打ちするように、こっそりと教えたいお気に入りの場所。 そんな心の拠りどころのような場所を持っている人は、多いと思います。 私にとってそれは、神社やお寺だったりします。 ふと通りかかった神社に吸い込まれるように足を踏み入れ、ゆっくりとそこに身を置くだけで、心がすっと晴れやかに、心身ともに清らかにリセットできる、そんな存在の場所です。 偶然出会う神社やお寺もいいけれど、季節が巡るたびに「そろそろ参拝したいな」と思い出す、大好きな

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闇の中で、鵜と人と川の声を聴く「長良川鵜飼」

俳句と暮らす vol.14 5月5日に、立夏を迎えました 5月5日に、二十四節気の「立夏」を迎えました。 いよいよ、待ちに待った夏がやってきます。 生命感みなぎる夏。 青葉若葉がきらきらと輝いていて、とても大好きな季節です。 この時季、「新緑が気持ちいいなあ」と感じる人は多いと思いますが、私が俳句や季語を知ってから、さらに解像度高く“夏らしさ”を感じられるようになりました。 道端で見かける花や雑草、鳥の声や風の音、夏らしい空気、香り…。 季語がアンテナがわりになって

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いつだって着ていたい、FRECKLEの“日常着”

俳句と暮らす vol.13 「春服」を探しに、柳ヶ瀬へ すっかり暖かくなりました。 春服一枚で気持ちの良いお出かけを楽しみたい、そんな過ごしやすい季節です。 「春服」は、春の季語。 でも「はるふく」ではなく「しゅんぷく」と読みます。 読み方が変わるだけで、だいぶ印象が変わる言葉だなあと、いつも俳句をつくりながら思います。 今日訪ねるのは、オリジナルウエアブランド「FRECKLE」。 この春実店舗を移転オープン。愛知県一宮市から、岐阜市の柳ヶ瀬商店街にお引越ししたばかりで

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自慢の図書館メディコスと、“シビックプライドプレイス”

俳句と暮らす vol.12 一日中楽しめちゃう「みんなの森 ぎふメディアコスモス」 「わああっ、これが図書館?」 「すごーい!」 「こんなところが家の近くにあったら、入り浸っちゃいそう…!」 県外の友人に、どこかおすすめの場所に連れてって!と言われると、私には決まって案内する場所があります。 岐阜市の複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」です。 「みんなの森 ぎふメディアコスモス」、通称“メディコス”。 岐阜市立中央図書館や、市民活動交流センター、ステージのあ

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芭蕉ゆかりの大垣、川湊の桜と舟下り

俳句と暮らす vol.11 芭蕉ゆかりの俳句のまち、岐阜県大垣市 岐阜県南西部に位置する、岐阜県大垣市。 全国でも有数の自噴帯に位置しているため、市内のあちこちに自噴井や湧水があり、冷たくておいしい水が飲み放題!という「水の都」です。 自噴井は、ペットボトルやタンクを持って水を汲みにくる住人でいつも賑わっています。 そんな水の都で生まれた名物が「水まんじゅう」。大垣の夏の風物詩です。 水がおいしい大垣は、和菓子の老舗や有名な酒蔵も多く、たくさんのおいしいものに出会え

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職人の手仕事を感じるノート

俳句と暮らす vol.10 「俳句と暮らす」も、vol.10を迎えました。 毎回、季語やそれに関連する場所やモノ、人を訪ねて文と俳句を綴ってきましたが、今回は手前味噌ながら、俳句のための“道具”のお話を。 夫と二人で営んでいるデザイン会社では、俳句のための文具ブランド「句具」を運営しています。 先日ご紹介した二十四節気カレンダーや、俳句を書くためのノート2種、俳句を額装して飾るためのカンバスや、ポストカードなどがあります。 今回の主役は、俳句を句集のように綴っていくため

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「山のいのちをつなぐ、春の森の香」 俳句と暮らす vol.09

まだ寒さの厳しい2月ですが、そのなかに少しずつ、春を感じ始めています。 みなさんにとって「春の到来を感じる瞬間」って、どんな一瞬でしょうか。 道端のたんぽぽやつくしに気づいたとき。 いつも通るあの道に、桜が咲き始めたら。 和菓子屋さんに並ぶ、桜餅や草餅を見て。 「春が来たなあ」と感じる瞬間は、人それぞれですよね。 今回訪ねるのは、飛騨高山。 この春、我が家にお迎えしたばかりの “春の森の香り” のお話です。 香りで春を告げる山里の花、辛夷 「辛夷(こぶし)」は、山

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「梅林を歩いて春の季語採集」 俳句と暮らす vol.08

2月4日に立春を迎えました。 まだまだ寒さは厳しいですが、そんな寒さのなかに春の兆しが見えはじめるころ。 今日は、春の季語をたくさん採集するために、岐阜市にある「梅林公園」を訪ねます。 岐阜の梅の名所として知られている「岐阜市梅林公園」。 約50種、1,000本の梅の木が植えられています。 例年、1月中旬ごろから早咲きの梅が咲き始めて、3月には見頃を迎えます。 1月や2月は、まだ雪が降ることもあるので、雪をかぶった梅をみることもできます(「残雪梅」という季語もあります

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「舟で渡る県道、小紅の渡し」 俳句と暮らす vol.07

もうすぐ1月が終わり、2月4日には「立春」、春を迎えます。 私の自宅は、長良川に架かる大きな橋のひとつ、忠節橋の近くにあります。 毎朝、毎夕、車で(たまに徒歩で)橋を渡るとき、長良川や金華山を眺めながら、その日の川の表情や機嫌、季節の移ろいを感じています。 市街地の中心にある大きな長良川は、川の近くで暮らす私にとって大きな“余白”。 岐阜駅前の、建物が密集する騒々しい通りから、橋を渡った瞬間に景色が変わります。 ぱあっと視線の先がひらけて、近くの金華山や岐阜城、静かな長良

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「二十四節気でめくるカレンダー」  俳句と暮らす vol.06

2月のはじめ、節分の頃になると、天気予報士さんがよく「暦のうえでは春ですが…」という言葉を発します。 この言葉の中にはおそらく「立春を迎えたとはいえ、まだまだ寒い日が続いていて、春って感じじゃないですね」みたいな意味を含んでいると思うのですが、実はいつも、この「暦の上では」という表現に違和感をおぼえてしまう私がいます。 2月4日頃というと、まだしっかり寒いころ。 確かに、一般的な「春」の温暖なイメージとは離れているかもしれません。 でも、季節というのは「この日からこの日ま

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