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「クリスマス工作で発想力をはぐくもう!」 子どもとアートと vol.02

こんにちは、はるのまいです。「子どもとアートと」をテーマにお届けするコラム。今回は、子どもと工作やお絵かきをする上でお伝えしたいなと思うポイントを、身近な素材でのクリスマス工作制作アイデアと共にご紹介していきます。

さっそくですが、親子でお絵かきや工作をする際に押さえたいポイント3つ。

1 子どもがいつでも手に取れる場所に素材を置き、兄弟で道具は揃える。
「家で工作をやるのってハードルが高い」と時々言われます。まず道具を準備して場所を整えて、兄弟でやろうとすると、道具の取り合いでけんかしたり、そもそもの工作やお絵かきを始める前段階で、親がグッタリ…
わたしの娘はひとりっ子で、たしかに教室で40人前後の生徒をみてきた時とは、まったく目の行き届き具合が違うからやれるというのは、あるかもしれません。マンツーマンでやる時と、複数人でやる時とは、楽しみ方が違うともいえます。

我が家は狭いですが常設の『工作スペース』をつくり、A3の可動式収納ケースに素材などを入れて、やりたいと思った時に子どもが自分で道具や材料が取り出せて、すぐやれる状態にしています。これも、別にはじめからそうだったわけでなく、毎日のように娘から「折り紙ちょうだい」「はさみ貸して」と言われ続け、わたしのめんどうくさがりな性格から
「毎日出し入れするのは大変だから、置き続けておいても大丈夫な状態にしておこう」
と始めたことです。リビングテーブルにまで工作スペースが拡張することは、よくあることですが(笑)
兄弟がいる場合は、年齢差にもよりますが、同じ道具を人数分揃えておいたほうが、落ち着いて制作に挑めるのではと思います。


2 『映え』よりも『子ども自身の達成感』を大切に。
わたしも時々、娘の工作の作品などをSNSで上げたりしますが、誰かに見せて褒めてもらうことが目的になってしまっては、本末転倒。
そもそも見栄えのいい作品を作るのが目的ではなく、遊びの中で、子どもたちが、自分でできた、できるようになった、という体験を積み重ねていくことが、何より大切だと思っています。

わたし自身、娘に対しては、工作やお絵かきも嫌いになるよりは好きになってくれたらいいな、程度のスタンスでいたので、まさかこんなにも工作好きに成長したのは予想外でした。
朝ごはんを食べ終わったら何かを作り、夜も寝るギリギリまで、何らかのものを作ろうとしたがる…もちろん1人ではまだできないのですが、わたしが忙しい時に限って「一緒に作ろうよ」と言われる(苦笑)

自分がものを作るのは好きですが、『作るのが好きな子どもにつきあう』というのは、いくらかわいいわが子とはいえ、まあまあな労力が必要です。『熱心な生徒への、エンドレス授業』と先生モードに気持ちを切り替え接しています(笑)


3 『評価』ではなく『共感』を大切にした声かけを。
「上手だね。」
「何描いてるの?」
何気なく口にしてしまいそうな、その言葉。
お子さんは、ただただ、クレヨンをぐるぐるして、色が紙に移っていくという”状態”を楽しんでいるだけかもしれません。

そこに「きれいに描けてるね」「上手だね」という大人側の『評価』って、必要ないと思うんです。

ましてや、せっかく描いたものやつくったものを前に、
「クラスの〇〇ちゃんは、こんなものも描けてるのに。」
「おにいちゃんは、これくらい1人でできたのに。」
なんて誰かと比較されるようなことを言われてしまえば、気持ちだってしぼんでしまいます。

中学の教員時代、入学の時点で、すでに美術に苦手意識をもつ子たちを、たくさん見てきました。
まずはそこの概念をどうやってくつがえすかが難しく、苦心しました。
描くのは苦手だとしても、発想力が豊かという場合もある。
他の子たちの、作品のいいところを伝えるのが得意な子もいる。
いろいろな角度から、美術っていろいろな見方があって、とても楽しいんだよということを、自分なりに伝えようとしてきたつもりです。

そもそも、描いたりものをつくったりするのって、原始的で楽しいことのはずなのに、一体どの段階で、嫌になってしまうんだろう?

そのことについても、ずっと考え続けてきました。

退職してからも、子ども向けのワークショップや保育コースでの講師の仕事で、いかに身近な大人からの何気ない声かけが、子どもたちに「描くことに対する苦手意識」をつくっているかを痛感するようになりました。

子どもたちは“作品をつくる”という目的ではなく、紙をやぶる、切る、描くなどの“行為そのもの”に、熱中していたりする時期があります。

『ぐるぐるして、気持ちよさそうだね。』
『この色、お母さんも好きだな。』
『とってもおいしそうな形だね。食べたくなってきちゃった。』

親御さんや周りの大人の方には、お子さんと同じ目線で世界を新しく見つめるチャンスと捉えてもらえたらなあと思います。

誰とも比べなくて、いいんです!

親御さん自身が、図工や美術に苦手意識があるほど、
『きれいに描かせなくちゃ』
と、周りを気にしてか、つい手を出してしまったりする場面を、みかけます。
子どもの邪魔をしたい親御さんなんて、きっといないと思います。
『子どもに良かれ』と、つい無意識でやってしまっているんです。
ただそれが子どもの『自分の力で、最後までできた!』という達成感や、
『自分自身の力で育つ機会』を奪っているのかもしれない、ということを大人であるわたしたち自身は、よくよく考えないといけないのではないかなと、自戒を込めて、そう思います。
ついつい熱くなってしまい、長くなりましたが(笑)
そろそろ「おうちで簡単にできる!クリスマス工作の作り方」をご紹介します。


☆材料を探索できそうな場所
100円ショップや300円ショップ、ホームセンターなどの素材コーナー

☆探し方のコツ
『既存の使い方を疑おう。違う使い道がないかを考えよう。』
上記のお店は季節ごとに様々な手作り工作用パーツが充実しているので、それをそのまま使って作るだけでも楽しいです。ですが、発想力のトレーニングを兼ね、あえて違うコーナーに行ってみて『こんな使い方はできないだろうか?』と考えてみるのも面白いですよ。
イノベーションは、今までの価値観を疑ったり、アイデアの意外な組み合わせを考えたりするところから生まれています。
工作やDIYって、その地頭を鍛えるのにピッタリなんじゃないかと、いつも思っています。

【工作その1】 作ってみよう!サイドテーブルツリー

今回の探索場所はDAISO。むかしは東急ハンズや大塚屋(布屋さん)によく行っていましたが、最近は100円ショップがもっと近場で行きやすいので、発想力のトレーニング場所として、よく通っています。

見つけたのが、ワイヤー状のサイドテーブル(100円ではなく500円です)。

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これなら、行事じゃない時も普通にサイドテーブルとして使える
のです!ひっくり返して、クリスマスツリーに見立ててみることにしました。

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<材料>

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(この写真の材料以外に使ったもの)
メタリックカラータイ(食パンの袋などを閉じるのに使うもの)、
牛乳パック、丸シール、はさみ、色を塗る道具(ペン、クーピー、アクリル絵の具 等)1つ穴あけパンチ(あると便利)

<下準備>
より冬っぽくなるよう、白いアクリル絵の具で塗ってみることに。もちろん、そのまま使ってもいいし、フェルトを敷いたりしてもかわいいかも。

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下準備が終わったら、さっそく作ってみましょう!

STEP1 オーナメント作り。鈴をモールなどに通したり、おほしさまケースにボタンやビーズなど、好きなものを入れたりして飾る。

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STEP2 和紙をびりびりにしたり、星や丸など好きな形にしたり、穴を明けてテーブルにくくりつける。くくりつける素材はモール(先端は痛いから少し折り曲げて使ってね)でもワイヤーでもなんでもいいのですが、取り外しやすいものにしておくと片づけが楽ですよ。わたしは家にたまたまあった、メタリックカラータイを使いました。

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STEP3 飾りつけ。完成!

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懐中電灯やライトにかぶせてみても楽しいですよ!

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【工作その2】 作ってみよう!ボードツリー

一度は使ってみたかった、有孔ボード(300円)。これっておもちゃのひも通しと、一緒かも?季節ごとに、糸を差しかえて遊べば、ずっと飾っておける!(笑

今回は好みで白い側を使います。

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<材料>

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(この写真の材料以外に使ったもの)
マスキングテープ、牛乳パック、丸シール、はさみ、色を塗る道具(ペン、クーピー、アクリル絵の具 等)

下準備
有孔ボードに取り付ける木箱を、アクリル絵の具で白く着色。

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これもどこまでこだわるかはお好みです。木箱の大きさもいろいろだし、フォトフレームとか付けてみるのも、いいですよね!

STEP1 毛糸をツリー状に通す。毛糸の先端をセロテープで固めておくと通しやすいよ。これは子どもと一緒にやってもいいし、大人があらかじめやっておいてもいい。

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裏側は適当に縛り付けて取れないように。

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STEP2 白いフックを着色。絵の具じゃなくても、家で飾るだけだからペンやマニキュアとかでも十分。

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小さい子がいるご家庭は誤飲に気をつけて!

STEP3 フックや木箱を取り付け、飾り付けて完成!木箱は、木工ボンドや強力な両面テープでつけてもいいし、今回はグルーガンも使いました。

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折り紙や牛乳パックのリボンはマスキングテープで付けています。

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以上、ざっくりとした作り方のご紹介でした。
ただ、紹介しておいてなんですが、これをそのまま作ってみてほしいとは、わたしはまったく思っていません。
家にあるもので、代用できるものはないかな?これって、こういう使い方もできるよね?そういう『頭をやわらかくして考える』時間を、工作を通して親子で楽しんでみてほしいなあというのが、一番の願いです。

サイドテーブルクリスマスツリーだって、わざわざこのテーブルを用意しなくっても、家で既に使っているゴミ箱や家具とかでもいいんです。
今回はご紹介用ということで、材料も追加で、いろいろと揃えましたが、基本的には『家にあるもの、使わなくなったもの+ちょっと追加したアイテム』で、ご家庭ごとにさまざまなバリエーションができることこそが、多様性があって、素敵なことなんじゃないかと思います。

子どもたちって、見立てのプロ、ですよね。
おかしの缶が、たいこになったり、ぬいぐるみのお部屋になったりします。
すごく柔軟な心を持っているんです。
大人のわたしたちも、それを見習ってみませんか?
こんなの作ってみたよ、があれば、ぜひぜひ、教えてくださいね!


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