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ちいさな相棒「チャリチャリ」で、シェアサイクルの無限の可能性を感じてみる。

こんなところにサステナブル vol.1

はじめまして。コピーライターの つかもとちあきです。2009年より名古屋でコピーライターをしています。これまで、自動車、美容、食品、医療、教育・・・様々な業界の広告制作やそれに携わる方々の取材記事を制作してきました。数年前からどんな業界にも関わるSDGsに興味を持ち、「サステナブル(持続可能性)」に関わるネタをストックしてきました。

今では、自分で絵本を作るなどして、サステナブルな考え方を分かりやすく伝えることをライフワークにしています。机上の空論ではない、ふだんの暮らしの中で、できることって・・・!?「みたすくらす」では、東海地域の暮らしに身近なサステナブルアイデアをご紹介したいと思います。

早速ですが、第1弾はシェアサイクル!私が注目している「Charichari(以下、チャリチャリ)」をピックアップしてみます。


真っ赤なカラーとかわいらしいロゴ、コンパクトな見た目が目を引くシェアサイクル、チャリチャリ。

名古屋市や福岡市、東京都区部で展開されている自転車シェアリングサービスで、レンタサイクルとの違いは、借りた場所に戻ってきて返すのではなく、まちなかにあるポート(駐輪場)から目的地最寄りのポートへ移動してそのまま返却できること。最近、名古屋市街地でポートが増えてきたこともあり、新しい「公共交通」のかたちと言えそうです。

JR名古屋駅前の桜通豊田ビルのポート

名古屋市内には他にもシェアサイクル事業者がありますが、数社でポートを共有しているエリアもあるそうです。「行きたい場所のすぐそばにポートがほしい」というニーズに応えてくれるシェアサイクル業界、素敵ですね。

自転車シェアリングサービス「チャリチャリ」って?

チャリチャリ事業開発担当の田口大輔さん

今回シェアサイクルのことを詳しく知るために、チャリチャリ事業開発担当の田口大輔さんにお話を伺いました。田口さんはポートオーナーや行政との連携を図り、まちにチャリチャリを広めるために日々奮闘されています。

——チャリチャリの推しポイントは、ズバリ、なんでしょう?

田口:1分単位の課金だから、気軽にちょこっと乗る需要に応えているところです。シティサイクルタイプだと1分6円、2022年12月に導入した電動アシストタイプだと1分15円です!

左がシティサイクルタイプ、右が電動アシストタイプ。

——なるほど。ちいさくて、こまわりがきく、できるヤツ。それがチャリチャリですね。シェアサイクル初心者も、簡単な操作で利用ができるとか・・・

田口:はい。ストレスフリーなアプリ操作がチャリチャリのポイントです。アプリをダウンロードして開くと、ポートマップが表示されて、使いたいポートの場所と台数が一目でわかります。


実際に、その使いやすさをレポートします!

ポートに駐輪してあるチャリチャリの前に行ったら、アプリを立ち上げ、「鍵をあける」をタップ。後輪のそばにある二次元コードを読み取るだけで解錠できる仕組みです。

インストールしたアプリから・・・
スマホでらくらくロック解除!

シティサイクルタイプは前かごにソーラーパネルがついていて、スマートロック(鍵の解錠・施錠システム)のバッテリーに給電しています。IoTを駆使したチャリチャリは、運営企業のneuetの母体である地元名古屋創業の企業クララオンラインが長らく取り組んできた、ハード・ソフト・リアルを横断した課題解決の知見が役立っているそうです。

ソーラーパネルは前かごの底に。さりげないデザインがうれしい。


実際に乗ってみると・・・あれ? サドルが低い・・・

でも、大丈夫。チャリチャリがおすすめなのは、サドルの高さ調整がとても簡単なユニバーサルデザインだから。レバーを軽く持ち上げてちょうどいい高さに設定し、位置が決まったら下げるだけなので、だれでも簡単に調整できます。とにかく気が利く、ちいさな相棒。それが、チャリチャリなのです。

力の弱い方でも簡単に調整できます!


ビミョーに移動が不便な名古屋を変えたい

——田口さんはどうしてチャリチャリの事業開発に携わろうと思ったのですか?

田口:私はこれまでに、スポーツ大会の公式サイト・システムの開発や、訪日外国人向けの旅行情報サイトの運営に携わってきました。ITで、リアルな場面の課題解決をすることにやりがいを感じてきたんです。前職で、海外からお越しの方に名古屋を案内する機会も多くありました。そんな中で「移動」に対する課題を強く感じました。

出張で名古屋に行くんだけど、どこに行けばいい?と聞かれると、私はよく、東海地域はモノづくりが盛んだから、空き時間を使って産業ツーリズムをするといいと、彼らにすすめてきました。ノリタケの森や、トヨタ産業技術記念館は名古屋駅からアクセスがいい。でも、名古屋市科学館、名古屋城までまわろうとすると、名古屋駅から行けないこともないけれど、乗り換え続きでおすすめしづらいという状況がありました。これを何とかできないかなと思っていた矢先に、シェアサイクルのチャリチャリを名古屋で展開するということで、私も参画することにしたんです。


いろんな人が、まちにいる人を気にするきっかけをつくる

——自転車って、だれでも身構えることなく使える移動手段ですよね。しかも、乗っていて気分がいい。

田口:そうなんです。確かにタクシーを使えば速い。だけどシェアサイクルなら、コスト面も、気持ちの上でも、気軽に利用できると思います。それと、メインストリートだけ走る公共交通とは違い、裏通りを縫うように走っておしゃれな店を見つけたとか、そういう偶然の出会いがあるのも魅力だと思います。

——自転車を使うことでCO2削減ができる。それもポイントですけど、それだけではない付加価値がありそうですね。

田口:チャリチャリは都市の「葉脈」のようにまちを回遊することで、まちの課題を解決する存在になろうとしています。最近、ポートオーナー様から、「けっこうみんな乗っていくね」と声をかけていただくことが増えました。まちづくりってなかなか自分ごとにはならないけれど、いろんな立場の人が「まち」の中で「まち」にいる人を気にする機会を増やすことで、自然と交流が生まれて、活気づくのかもしれません。


ICレコーダーを止めても、会話が止まらない熱血漢の田口さん。名古屋というまちは、噛まないと味がないけど、噛めば噛むほど味わい深くなる「するめいか」みたいなもの、という独自の考え方も示してくださいました。1台の自転車から広がる、まちづくりの可能性。コロナ禍を経験し、自分が暮らすエリアで楽しみを見つける機会が増えた今こそ、気軽にまちをハッピーにできるアイテムとして、チャリチャリを使ってみるといいのかもしれません。


■Charichari(チャリチャリ)
サービスエリアや利用料金など、詳しくはWebサイトをご確認ください。
https://charichari.bike/


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