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楼門のむこう、川に神の岩が鎮座する「洲原神社」
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楼門のむこう、川に神の岩が鎮座する「洲原神社」

俳句と暮らす vol.15

大切なひとにだけ耳打ちするように、こっそりと教えたいお気に入りの場所。
そんな心の拠りどころのような場所を持っている人は、多いと思います。

私にとってそれは、神社やお寺だったりします。
ふと通りかかった神社に吸い込まれるように足を踏み入れ、ゆっくりとそこに身を置くだけで、心がすっと晴れやかに、心身ともに清らかにリセットできる、そんな存在の場所です。

偶然出会う神社やお寺もいいけれど、季節が巡るたびに「そろそろ参拝したいな」と思い出す、大好きな神社もいくつかあります。


心をまっさらにする、自分だけの特別な場所

声を大にして語るほど、寺社仏閣に詳しいわけではないのですが、過去にバスガイドをしていた頃に有名な寺社に足を運んだことがきっかけで、好きになりました。
軽く会釈をしてから鳥居をくぐった瞬間、ぱっと空気が変わる、しゃきっと背筋が自然と伸びるような神聖な空間に身を置くと、身も心も洗われていく気がします。

案内板を読みながらのんびり参拝し、どこかに軽く腰掛けて目を閉じ、風の音や鳥の声に耳を澄ませて、心をからっぽにする。
そこで感じたままに、俳句をつくってみたりする。
慌ただしい毎日をリセットする、大切な時間です。

今日ご紹介するのは、誰もが知っている超有名神社ではないけれど、とても岐阜らしくて、360度どこを眺めても美しく、風光明媚で幽邃な神域に心奪われる、そんな神社。

私も、ことあるごとに目的もなく何度も訪れている、美濃市の「洲原神社」です。

洲原神社は、岐阜県美濃市須原にあります。
自宅がある岐阜市からは車で1時間ほどかかりますが、それでも往復2時間をかけてでもわざわざ訪れたいと思う、大好きな場所です。

洲原神社の創建は、なんと奈良時代。
越前の名僧・泰澄大師によってこの地に創建されたと伝えられ、白山信仰の前宮として崇められ、豊作、厄除けなどにご利益があるといわれています。
境内には、夫婦縁結びの男桧・女桧や、子授安産の霊石があります。

現在の本殿は江戸時代初期のもので、岐阜県重要文化財に指定されています。


古くは長良川から木舟に乗って参拝へ

白山信仰に詳しい知人が「絶対に参拝したほうがいい神社があるから!」と連れてきてくれたのがきっかけで、数年前に初めて洲原神社を参拝しました。

初めて訪れたとき、一番感動したのは、神社のすぐ南を美しい長良川が流れるロケーション。
洲原神社は全国的にも珍しい川に面した神社。
長良川に向き合うように楼門、そして本殿が建っています。古くは多くの人が木舟で長良川を渡って参拝したそうです。

神社の目の前には美しい長良川、そしてそこに「神の岩」と呼ばれる大きな岩が鎮座しています。

長良川に寄り添うようにどっしりと建っているのは、寛保元(1741)年に再建されたという、三間二面の入母屋桧皮葺の楼門。

本殿側から楼門越しに長良川を望むと、真正面に神々しい神の岩が…!

奇跡のようなロケーションです。

楼門は粗い連格子の造りで、どちらから見上げても周囲の自然が透けて見えて、まるで建物と自然が一体化しているような美しさです。

洲原神社は、社殿の中央と東西の本殿は岐阜県の重要文化財、さらに拝殿・舞殿・楼門の六棟は美濃市の重要文化財に指定されているという“重文オンパレード”。

さらに、ここはもうひとつ「国の天然記念物」にも指定されている場所なんです。


今は見ることのできない「仏法僧」の繁殖地として

神社周辺は「仏法僧(ブッポウソウ)」という鳥の繁殖地として「天然記念物 洲原神社仏法僧蕃殖地」と指定されています。

透き通った瑠璃色の羽毛、翼にある白い斑紋、真紅のくちばしを持つ美しい鳥、仏法僧。
私自身、この目で見たことは一度もありませんが、国の天然記念物として指定された昭和10年頃は洲原神社の杜へ飛来し、老樹に営巣していたそうです。


「仏法僧」は、夏の季語。


日本には夏鳥として渡来し、本州以南の低山で繁殖する鳥ですが、今はもう滅多に姿を見せることはなくなりました。
繁殖地として天然記念物に指定されている洲原神社でも、もうずっと飛来はないそうです。

姿こそ見ることはできませんが、自然豊かな場所を好む仏法僧が選んでいた地とあって、洲原神社は自然豊かで、仏法僧たちが好んで飛来していたのにも納得です。

美しいエメラルドグリーンの長良川の流れ、
真っ白な紙垂(しで)が揺れる神聖な「神の岩」、
楼門や本殿など美しい歴史的建造物群はもちろん、老杉や老桧が繁茂する境内は、今この夏の時季にこそ訪れてほしい、爽やかな気持ちよさです。

私の写真では伝えきれない、この美しい自然と社に、ぜひこの夏、会いに行ってみてください。


暮らしの一句


楼門の真白き紙垂や風薫る 麻衣子

【季語解説】風薫る(夏)
青葉を吹く風が、緑の香りを運んでくるようだと讃えた言葉。
南風の爽やかさを表現している、とても夏らしい季語です。
同じ意味で「薫風(くんぷう)」「薫る風」「風の香」という季語もあります。
ちなみに「紙垂」はしめ縄についている、ジグザグ形の白い紙のこと。「しで」と読みます。

洲原神社
岐阜県美濃市須原468-1-1
URL:https://www.ukai-gifucity.jp/ukai/



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