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摘みたて苺のあの味を、パンと一緒に頬張る夏
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摘みたて苺のあの味を、パンと一緒に頬張る夏

俳句と暮らす vol.17

スーパーに初物のいちごが並びはじめるのは、毎年12月ごろ。
その頃から、いちご狩りのシーズンも始まります。
凍てついた真冬の空気にいちごの明るさがまぶしくて、「もうそんな季節かぁ」と感じさせてくれますよね。

12月から初物のいちごが出回る現代では「いちごの旬は冬から春あたりでしょ?」と思われがちですが、実は「苺」は、夏の季語なんです。


本来、いちごは初夏のもの

今ではハウスで栽培されるいちごですが、露地のいちごは、だんだんと暖かくなってくる5月から6月にかけて、ゆっくりと熟していきます。
季語を集めた「歳時記」には、いちごは初夏の季語として収録されています。

(著者撮影)

この小さないちごは、私の祖母が畑で育ててくれて、今年5月下旬に収穫したもの。
市場にはなかなか出回らない珍しい双子いちごだったので、記念に撮りました。
甘酸っぱくて、なんだか懐かしい味。
派手な甘さはありませんが、とてもおいしかったです。

いちごは漢字で「苺」のほか、俳句では「覆盆子」と書くこともあります。
「苺摘」「苺畑」「苺狩」なども同じく初夏の季語。
ちなみに、「苺ミルク」が夏の季語として収録されている歳時記も多いです。
牛乳に完熟いちごを入れてつぶしながら飲む苺ミルクは、かつては初夏だけの楽しみだったんですね。


いちご狩り園が手がける、シーズンオフの味

さて今回は、夏の季語「いちご」を求めて、いちご狩り園を訪ねます。
12月から5月にかけてオープンし、たくさんの人で賑わういちご狩り園。
冬の日照量が多い愛知県はいちごの温室栽培がさかんで、いちご園もたくさんあるんです。

とは言え、もう6月下旬。
どのいちご狩り園も、シーズンオフです。
でも、今回ご紹介する「大府南いちごファーム」では、ファームで採れたいちごのおいしさを違うかたちで一年中お届けする、ある商品が大人気なんです。


オーナーこだわりの「わたしのいちご」

愛知県大府市にある、老若男女から人気のいちご園「大府南いちごファーム」。
緑豊かな大府の街を抜けると、小さな丘と三角屋根の“いちごハウス”が出現します。

ハウスの扉を開けると、甘酸っぱくてフレッシュな完熟いちごの爽やかな香りが、やさしく鼻をかすめます。
いちご一粒一粒を繊細な霧で包み込むようなミストシャワーが降るいちごハウスの中は、暖かいのに涼しげで、とても気持ちの良い空間です。

今回は大府南いちごファームのオーナー夫妻、大嶋 厚徳さんと優子さんに、オリジナル商品「わたしのいちごバター」についてのお話をお聞きします。

6次産業化を手がける大嶋さん夫妻がつくる「わたしのいちごバター」
クラウドファンディングで話題になり、さらにテレビでも紹介されたことで人気は全国区へ。
現在はオンラインストアで入手することができます。


完熟いちごが主役の、贅沢いちごバター

摘みたての完熟いちごを贅沢に使用した「わたしのいちごバター」は、国産100%のバターのリッチな味わいやコクを感じられる、“バター感”の強い印象ながら、ホイップバターのようなふんわりとした口当たりです。
そこに、完熟いちごの果実感や繊細な香りがさらに引き立ちます。

「ジャムのような風味のものではなく、バターらしさのある、一度食べたら忘れられないような“本物のいちごバター”がつくりたい、と思って開発しました。いちごのことをよく知る私たちならできるかな、と」と大嶋さん。

その言葉の通り、「わたしのいちごバター」は生のいちごを思わせるジューシーさ、生クリームのような口溶けの良さで、なんだか新しいスイーツのような特別な存在感です。

そんないちごバターのクリームをたっぷり挟んだ、「わたしのいちごバターサンド」も人気です。


出荷できるようないちごを贅沢に使用

ファームで育てた2品種のいちご、「章姫(あきひめ)」と「よつぼし」を完熟の状態で収穫し、たっぷり使っていちごバターをつくります。

てっきり、出荷できないようなB品を使っているのかと思ったら…。

「それが、出荷できるようないちごばかりなんです。
業者さんにも『これ加工するの?このまま売れるのに…』って、いつも言われます(笑)。
自分が食べておいしいものしか、つくりたくないんですよね。
そのまま食べられるような品質のいちごで加工品を作ったら、絶対おいしいに決まってるじゃないですか!」(大嶋厚徳さん・優子さん)

色・艶・かたち、申し分ないいちごをたっぷり使用

常温保存ではなく冷蔵保存必須で、賞味期限も短めの「わたしのいちごバター」ですが、そこには「自分が食べて、本当においしい!と思えるものしかつくりたくない」という、オーナー夫妻の強い想いが詰まっていました。

売上のことだけを考えれば、出荷コストをおさえるために「常温保存可」を条件にした商品開発をしたり、数ある方法を駆使して賞味期限を延ばしたり…という調整もできる世の中ですが、「それより何より、おいしいいちごバターを届けたい」というオーナーの“いちご愛”が最優先。
だからこんなにおいしいんだなあ、と納得です。

私はトーストより生のパンにつける方が好きです


ジューシーないちごを「いちごバター」で楽しむ夏

冒頭で少し触れた、私の祖母の畑には、毎夏いちごがたくさん実ります。
全体的に小粒で、虫に食われて穴があいているのもあり、いびつな形をしたいちごたち。
でもとても愛おしい存在。
虫食いいちごを嫌がる幼い私に「虫さんが選んで食べたってことは、おいしい印だよ!」と、今は亡き祖父に教えてもらったことも思い出します。

幼い頃、いちごが実ると妹と一緒に畑へ行って「いちご狩りだ!」と、摘んでは食べ、モグモグしながらまた摘んで…と畑のいちご摘みを楽しんでいた記憶もあり、私の思い出の中のいちごは、やっぱり夏なんですよね。

でも今は、いちごの旬が冬〜春にずれて、夏に手軽にいちごを手に入れることが難しくなりました。

そんな夏の食卓に、まさにフレッシュないちごを届けてくれたのが、この「わたしのいちごバター」。
瓶の中からそっとすくって、パンやクラッカーにのせたり、シンプルなシフォンケーキを焼いて、添えて食べたり。
まるで生のいちごを頬張っているようにジューシーで、濃厚なのに甘酸っぱくて。
どんな加工品よりも、“いちごらしさ”をダイレクトに感じる、そんな味わいです。

夏、いちごの旬だからこそ楽しみたい、いちごバター。
果実の恵みたっぷりのこの味が、すっかりわたしのお気に入りになりました。


暮らしの一句

ふわふわのバタに苺の粒のおと 麻衣子

【季語解説】苺(夏)
苺は、初夏(5月頃)の季語。
「覆盆子」とも書きます。苺摘、苺畑、苺狩なども季語です。
苺のあの可愛らしさにも通じる、健康的で、若々しいイメージを含んでいる明るい季語だと思います。
ちなみに俳句では、バターのことを「バタ」と表現した名句がいくつかあります。
なんだかおしゃれな食卓をイメージしたくなる表現だなあとずっと憧れていて、今回のいちごバターにぴったりだな、と。そのままバタと苺で一句、つくってみました。


わたしのいちご
いちごバターのほか、いちごバターサンドやギフトセットなどをオンラインストアで販売。
URL:https://watashino-ichigo.com/

大府南いちごファーム
大府市馬池町一丁目110
0562-46-5668
URL:https://obu-south-ichigo.com/

協力:コムデザインラボ
写真:神谷篤史(PhotoBox)



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