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「竹かごを暮らしに取り入れよう」  伝統は今を生きる vol.02

こんにちは。フォトグラファーの たかつです。
今回は「古き良き品を見つめ直す」をテーマに、昔ながらの「竹かご」を暮らしに取り入れてみようと思います。


日本では昔から、
竹かごは「日用品」であり「工芸品」でもあった。


そもそも「竹かご」は、古くは農閑期のモノづくりから生まれた道具。お米や野菜など農作物を作りながら、農作業が落ち着いた時期に兼業でかご作りを行っていたのです。普通の人々が暮らしのために手作りしていた日用品だったんですね。様々な地域でいろいろな人が作っていたので、同じ竹かごでも、竹の種類、編み方、用途など様々なものが今も日本全国に残っています。

また、竹かごのような道具は世界中にあるのですが、日本には日用品以外に「美術工芸品」としても発達してきた歴史があります。有名な話としては、茶人の千利休がその素朴で侘びた風情に魅了され、花入として竹かごを用いました。現代では世界的に美術工芸品としての価値が高まってきており、日本の竹工芸品を欧米のコレクターが収集したり、世界の美術館で展示されるほど「竹かご人気」は高まっています。


商店街にある「竹かご専門店」で、
竹かごを購入してみました。

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能書きはこれくらいにして、さっそく竹かごを暮らしに取り入れてみましょう!僕は以前から竹かごを好んで使っていますが、せっかくの機会なので新しい竹かごを購入したいと思います。事務所から徒歩数分、地元安城の商店街にある『竹之内かご店』さんにお邪魔しました。

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引き戸を開けると、店内には数えきれない程の竹かごが!他にも様々な竹製品が所狭しと陳列され、清々しい竹の香りが漂ってきます。

・・・う〜ん、たまらない!

気に入った竹かごを購入し、帰り際には店主の竹之内さんにも色々とお話を伺いました。

お店の創業は何と昭和11年。商店街にあるので普段何気なく利用していましたが、2021年で創業85年の戦後から続く老舗だということを今回初めて知りました。正に、商店街に歴史ありです。

先代が開業し、その後二代目として跡を継ぐ訳ですが、竹ノ内さんは18歳から竹細工職人として働き始めてかれこれ60年以上職人を続けられているそうです。「店内にある物は全ておすすめ」と最初は経営者の顔で仰っていましたが、自信作は花を生ける花かごで、作っていて一番楽しいのは箕(み)と呼ばれる竹のザルなんだとか。
「ザルはシンプルに見えて格好良く作るのが中々難しい」と、最後は職人の顔も覗かせていました。


暮らしの中で竹かごを使ってみた。

新たに購入した竹かごを抱えて事務所に戻ると、定期的に購入している宅配野菜がタイミングよく届きました。普段はこれを発泡スチロールに入れて自宅に持ち帰っているところを、今回は竹かごに入れて持ち帰りたいと思います。

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…何だか、これだけで絵になりますね!


竹かごは軽くて丈夫。弾力性もあるので、中身が崩れる事がなく、野菜を運ぶのにぴったりでした。野菜は自立できない物が多く、普通のエコバッグだと持ち運びにくかったりしますが、竹かごであれば問題ありません。持ち運んだままキッチンに置きっぱなしにしてしまってもオシャレなので、僕のように無精な人間にも向いていると思います。

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そして、僕は普段から仕事道具である「カメラ機材」を運ぶ際にも竹かごを利用していたりします。カメラって皆さんの想像以上に小さな部品やアクセサリーがあるので、まとめて運ぶのに重宝するんです。

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持ち運ぶ際に細かな傷をつけたくない場合は、竹かごの底にビニールの袋を敷いて使うといい塩梅に。僕が愛用している竹かごは、IKEAのショッピングバッグ(小)がぴったりのサイズでした。このように工夫をすれば、竹かごはさらに使い方の幅が広がります。カスタマイズもしやすいので、個性を表現するアイテムとしてもぴったりかもしれません。

また、竹かごは自然素材で作られているので「環境に優しい」という点でも魅力です。今回ご紹介したような専門店で購入すれば、壊れたときに修理(有料)もしてもらえますし、丁寧に使えば永く愛用することができます。ちなみに竹かご専門店の店主に竹かごを長持ちさせる「ちょっとしたコツ」を教えてもらいましたのでご紹介します。

【竹かごを愛用するコツ】
・直射日光の当たる場所で保管しない
・汚れた場合は水で洗い流して、日の当たらない風通しの良い場所で乾かす


僕は撮影で全国の商店街を巡ることも少なくないのですが、昔からある商店街には、必ずと言っていいほど「竹かご」専門店があるような気がします。それだけ竹かごは、日常と深く結びついているものなんですね。

あなたの街の商店街にも、竹かご専門店があるかもしれません。
古くて新しい竹かごが暮らしの中にある生活、今度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?


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