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“育てる”をもっと身近に。「植物栽培セット」のパイオニア企業を訪問しました!

週末は愛菜家。 vol.35

雑貨店などで、タネから育てる栽培セットを見かけたことありませんか?
実は、その多くが瀬戸市の専業メーカーで企画・開発されているんですって。

家庭菜園の、さらに手前。窓辺やキッチン、ベランダなどで気軽に栽培体験を楽しめるアイテムに興味をもったので、さっそく取材に行ってきました!


希少な“栽培セット”の専業メーカー「聖新陶芸」

伺ったのは、愛知県の瀬戸市。名鉄・新瀬戸駅から歩いて15分ほどに位置する「聖新陶芸」さんは、おそらく国内で1社のみの栽培セット専業メーカーです✨

1960年の創業。その始まりはなんと、聖母マリア像の製造から(なぜマリア像を製造するようになったかは不明なんですって)。2代目社長の時代にキーホルダーなどのお土産物にシフトして、1999年から栽培セットを手がけるようになりました。

今日は3代目の伊勢谷社長と営業課長の鎌田さんにお話を伺いました。
伊勢谷社長は大阪の雑貨商社や営業職で経験を重ね、30歳で聖新陶芸に戻ってきたそう。

「学生の頃から継がなくていいよって言われてきたんだけど、栽培セットをヒットさせた当時の番頭さんに呼び戻されたんです(笑)」と伊勢谷社長。

栽培セットの企画・開発を行うため、オフィスでさまざまな植物が育てられています。
実際に栽培テストを行なって、やっと商品化できるんですって。

聖新陶芸の他社にはないユニークな取り組みが「発芽保証」!
購入したアイテムがもし発芽しなかったら、タネの交換&メールなどを通じて発芽するまでフォローしてくれます✨

陽当たりのいい窓際をはじめ、オフィスのいたるところにグリーンが♪
植物が身近にあるオフィスって、ほんと心が和みますよね。


バラエティあふれる栽培セットのラインナップ✨

栽培セットの専業メーカーになるきっかけとなったアイテムが「eggling」。
陶器(せともの)でできた卵の上部をコンコンと割って、あとは水をあげるだけでハーブなどが育っていくというアイデアが受け、大ヒット商品に!
日本はもちろん世界でも売れ続けているロングセラーとなっています。

パッケージもかわいいですね♪

聖新陶芸の企業ロゴマークも「eggling」がモチーフになっています。

伊勢谷社長が代表に就任し、意欲的に商品企画も手がけるようになったのが4年ほど前。
毎年春秋の2回新作を発表し、現在は400近いアイテムを販売しています。

時流に合わせて容器が土に還るエコシリーズを開発したり・・・

「せともの」の魅力をアピールするために、地元の陶器でつくったユニークな鉢を開発したりしています。ちなみに、こちらのゾウさんは鼻から水を吸い上げて植物が育つというおもしろいギミックを採用。

シリーズ展開でカバさんの鉢もあります♪

こちらは一見すると紙コップに見えますが、実はせともの陶器製✨ 瀬戸商工会議所が2023年に行った「せともん“ど”セレクション」で、みごと金賞を受賞しています。
手に持ったときのサラサラした陶器の質感も心地よいです♪

コロナ禍の真っ只中には、屋内でより身近に楽しめるミニマムなアイテムも開発。

人の流れが活性化してきた現在は、お土産物として使えるアイテムを強化中!

「MAME BONSAI」シリーズは外国の方にも大人気のアイテムです。
黒松や赤松、もみじなどのラインナップがありました。


野菜の栽培セットも充実♪

もちろん、私が大好きな野菜の栽培セットもマルチに展開中。
和柄が素敵な小鉢で育てる薬味シリーズや・・・

曲げわっぱで葉物野菜を育てる「和っ葉」など!

まるでビールジョッキのような鉢で育てるえだ豆もありますし

マッシュルームなど、きのこを育てるシリーズまで存在します。
本社3階のショールームを見学させてもらうと、もうワクワクしっぱなし♪

こちらの商品は、なんとレシピ付き!

料理研究家・鈴木あすな氏とコラボレーションして、育てた野菜をおいしく料理できる工夫がされています♪


さらに、ガチャ用アイテムや新たな領域開拓も!!

これまでなかった領域への展開も積極的に進め、ガチャでゲットできるサボテンや薬味の栽培セットも開発しています。

ガチャでシリーズ化されていると、全種コンプリートしたくなっちゃいますね♪

こちらはなんと、雑草ガチャ(笑)
しかも、静岡大学と共同で開発してしまうという本気ぶりです。
さまざまなメディアで取り上げられて、すごい宣伝効果があったそうですよ。

雑貨店やガチャ以外にも、書店に向けたアイテム開発にもチャレンジ✨
「はらぺこあおむし」とのコラボ商品は本好きのみなさんから大反響だったそう。

本当に多彩なアイテムを展開していますが、商品開発は簡単じゃありません。
試行錯誤を繰り返し、サンプルをたくさんつくりながらブラッシュアップして、商品化までこぎつけているそうです。デザイナーさんともお話ししましたが、新製品のアイデア出しで四六時中頭がいっぱいだそうです。


そして、食育にも活用できる栽培セット

栽培セットの中には、なんと根菜系のシリーズまでありました!
小さな栽培セットでごぼうまで育てられるなんて驚きです。

こちらのだいこん栽培セットは、伊勢谷社長が瀬戸市の幼稚園児(年中さん全員)に毎年プレゼントしています✨
だいこんならモリモリ育つ葉の部分も食べられ、調理設備がある園では収穫しただいこんを調理・提供しているそうです。
「だいこんの収穫体験をみなさん本当に喜んでくれているみたいで、それが仕事への愛着ややりがいに変わっています」と伊勢谷社長。


育てる喜びを、もっと身近に。

植物のタネが芽吹き、それがグングン成長していく様子を見守ると、うれしさがあふれてきます。そして収穫した野菜を自分で料理して、おいしくいただくのもかけがえのない喜びです。
「農業」というと大げさになってしまうけど、野菜を育てる喜びはきっと、万人が感じられる素敵体験。そのハードルを下げる栽培セットの存在は、野菜好き・農業好きの間口を広めてくれるんじゃないかとウキウキしました!

ショールームで興味をもったゾウさんと薬味小鉢、ミニマグ(レモンバーム)を購入させていただこうとしたら、なんと伊勢谷社長がプレゼントしてくれました(嬉)
ゾウさんの栽培セットは大垣のお母さんが「どうしても欲しい!」というので母の日ギフトとさせていただき、薬味小鉢とミニマグは自宅で大事に育てようと思っています✨

聖新陶芸
https://seishin-tougei.com
オンラインショップ
https://seishin-plus.ocnk.net


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