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日本の希望すぎる介護サービスが誕生してた。

働くって、いいかも。Vol.2

今まさに介護が身近にある人はもちろん、ちょっと視界に入り始めている人にも、まだ先の話かなという人にも、ぜひ覚えてほしい名前があります。

その名前とは、『イチロウ』。

あのメジャーリーガーでも、あの政治家でもありません。2017年にスタートした“介護を必要とする人と介護士をつなぐ”マッチングサービスの名前です。

イチロウWEBサイト:https://ichirou.co.jp/

なぜ『イチロウ』なのかは置いておいて。まずお伝えしたいのは、それが「介護する人も、される人も、幸せになれる仕組み」だということ。つまり、ますます高齢化が進む日本において、希望となる存在だということです。

アプリから条件や要望を入力すれば、最短5分でぴったりの介護士が見つかり、早ければ2時間後には来てくれるというスグレモノ。

利用者も介護士も登録者数が口コミで増えていて、利用者はのべ800名を、介護士は1,000名を超えているとのこと。介護士は毎月100名のペースで増え続けているそうです。

数ある介護サービスのなかから利用者に選ばれ、採用難の介護業界にあっても介護士が集まる『イチロウ』。サービス立ち上げのきっかけや、その展望について水野社長に話を聞きました。

水野友喜 Yuki Mizuno (株式会社LINK代表取締役)
専門学校を卒業後、20歳で介護の道へ。特別養護老人ホームの介護士、デイサービスの相談員、有料老人ホームの管理者を経て、30歳で株式会社LINKを創業。オーダーメイド介護サービス『イチロウ』開始。「誰もが幸せな最期を迎えられる世界」というVision実現に向けて介護業界の課題解決に取り組む。


家族に、胸を張っておすすめできる介護を。

───『イチロウ』というサービス名は、水野社長の祖父のお名前に由来するそうですね。創業のきっかけ、サービス名に込めた想いについて教えてください。

水野:私は20歳から介護の道へ入ったのですが、どの施設にも「ここに両親は入れたくない」というスタッフがいました。一方で「家に帰りたい」とおっしゃる利用者の方もいました。自分が懸命に働いている施設をそんなふうに思ってしまう、また思われてしまうのは、寂しいですよね。だから30歳で起業するとき、身内に胸を張っておすすめできるサービスにしたいと思い、おじいちゃんの名前から『イチロウ』と名付けました。

創業のきっかけは、現在の介護保険制度ではカバーしきれていないニーズがたくさんあるなと痛感したこと。みんなで保険料を負担して必要な人に介護を提供するという仕組みそのものは素晴らしいと思うのですが、保険である以上制約も少なくないんです。

例えば、「明日来てほしい」という急を要するケースや「通院や買い物に付き添ってほしい」などの用途については、現在の介護保険では対応できません。しかし、ご家族に急用が入って通院に付き添えなくなる、なんてことはよくあることです。だから、保険外でサービスを立ち上げることで補完しようと考えました。ベースは介護保険で、足りない部分を『イチロウ』で。“かゆいところに手が届く”介護サービスとして活用していただきたいです。


私たちの介護はきっと、心に届く。


───利用されている方からは「もっと早く知りたかった」「追加でお金を払いたい(くらい満足している)」という喜びの声が寄せられていると伺いました。『イチロウ』のどの部分にその価値を感じていただけていると思われますか。

水野:最短で今日依頼して、今日来てくれる。通院や買い物に付き添ってくれる。そのスピードや柔軟さを挙げる方もいらっしゃると思います。しかし、私たちは介護や家事の内容以上に、要介護者の孤独を埋め、心を満たすという側面を評価いただいているのではないかと感じています。介護保険では1時間以上の支援ができませんが、『イチロウ』ならご要望さえあれば半日だって一緒にいることができます。おしゃべりをする。一緒に散歩に行く。そんな何気ない時間のほうに価値を感じていただけているケースも少なくありません。

また、ご家族からは「仕事と介護の両立ができるようになった」という声をよくお聞きします。例えば、介護保険で介護士を頼もうとすると1ヶ月単位で予定が組まれてしまいますが、『イチロウ』なら「今日は疲れたから介護から離れたい」というご要望にも応えられます。アプリから予約していただければ、介護の必要なご家族をスタッフにまかせて自分の時間を取っていただけるんです。22時まで延長することもできますから、急な残業などにも対応可能です。

日本は晩婚化が進んでいることもあり、働きながら介護をする人が増えています。一昔前は早く結婚して子育てが終わってから介護、だったものが今は同時進行。家族で補えなくなった部分を、『イチロウ』で補っていただければと思います。


本当にやりたかった介護が、ここにはある。


───『イチロウ』は働くスタッフの方からも好評だそうですね。まさに「家族に勧められるサービス」になっているということだと思いますが、特にどういったところがスタッフの方に支持されているのでしょうか。

水野:やはり一人ひとりの利用者さんとじっくり向き合えるところだと思います。話し相手になったり、一緒に散歩したり、買い物へ行ったり…。それって、実は介護に携わる人が介護を志すときに、あるいは資格を取得するときに抱く理想の姿なんです。でも、現場では10人や20人を一人で担当したり、在宅介護で1日5~6件まわったりという現実があるため疲れちゃうんですよね。

『イチロウ』には、そんな介護士の本分を取り戻す役割もあると感じています。実際、多くのスタッフから「こんな働き方を求めていました」「私がやりたかった介護はこれです」といった声をいただいています。

それだけではありません。収入も業界平均の1.6倍。1ヶ月に50万円以上を稼ぐ人もいます。また、スポットの仕事もあるため「働きたいときに働ける」点も喜ばれています。全体の8割ほどが普段は別の介護事業所で勤務しながら、すきまの時間をつかって活躍してくださっている方です。


『イチロウ』を日本全国へ。そして、世界へ。


───現在のサービス提供エリアは一都三県と愛知県ですが、『イチロウ』を必要としている方が全国にまだまだいらっしゃいそうですね。今後の展開や、その先に描いていることがあれば教えてください。

水野:向こう2年くらいは『イチロウ』を全国へ広げていく予定です。ただ、私たちの会社ですべてを担うことは考えていません。各都市の現地の会社にこのビジネスモデルをインストールしてもらって、日本全国どこへ行っても介護士のマッチング、オーダーメイド介護サービスを受けられるインフラのような存在にしたいと思っています。実は、東邦ガスさんも僕たちの想いに共感してくれてて、名前を「ミタスケア」に変えて、一緒に広げる活動を行ってくれているんですよ。

そして、その先には、この仕組みを世界へ持っていきたい。日本は、高齢化の先進国です。国家資格や教育の制度を含めて介護技術も世界一だと思います。その日本ならではの強みをサービスにインプットして持っていくことが重要です。

医療も介護も、現行の制度は私たちの変化に合わせてくれません。私たちが合わせにいかないといけないんです。足りないものがあるなら、つくるしかない。介護の世界においては、私たちがそこを担っていきたいと考えています。


働く喜びは、できることが増えること。


順風満帆に見える『イチロウ』。しかし、まだまだやることは山積みで、前例がなく保険外のサービスゆえに壁にぶつかることも多いとのこと。それでも「誰かがやらなきゃ」という使命感で挑みつづけているのだそうです。

そんな水野社長にとって働く喜びとは、「できなかったことができるようになる」こと。これまで介護保険の「できない」を「できる」に変えてきたように、全国展開を果たし、日本を代表するもうひとつの『イチロウ』として、世界で名を馳せる日もそう遠くないかもしれません。

笑顔の素敵な水野代表 お忙しい中ありがとうございました!

オーダーメイドの介護サービス イチロウ
https://ichirou.co.jp/



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