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“自分でつくる”が新しい、手作りハーブ入浴剤

俳句と暮らす vol.25

12月22日、一年で最も昼が短い「冬至」

肩までしっかり浴槽のお湯に浸かって、ふうっと一息つくと、ふわっと体が浮いているような感覚になるあの瞬間が大好きです。

こわばった体から自然と力が抜けて、心身ともに緩まる実感。
目を閉じて、大きく深呼吸をした瞬間に、大好きな香りを感じることができたらもう最高。それが、私が入浴剤が好きな理由のひとつです。

今年の冬至は、12月22日。
冬至の日には、南瓜や冬至粥、こんにゃくを食べて、柚子湯に入る習慣がありますよね。
もちろん「冬至」も「柚湯」も冬の季語
冬至も目前の今回は、香り豊かで体も心もぽかぽか温まる、贅沢な新習慣 “おうちハーブ温浴”のお話に、ぜひお付き合いください。


各務原の人気温浴施設「恵みの湯」

岐阜県各務原市にある、人気の温浴施設「恵みの湯」。
江戸時代に皇女和宮が讃えた天然水「御前水」に惚れ込んで各務原に開業し、もう四半世紀も経つ温浴施設です。

地元住民はもとより、市内外から多くの人が通う人気のお湯。
その理由はやはり、温浴効果をさらに高めてくれる薬草やハーブを取り入れた、ここならではのお風呂やサウナが楽しめるからだと思います。

まるで眠りにつくようにリラックスできる「薬草風呂」のほか、季節の生ハーブを贅沢に使った「ととのい生ハーブロウリュウ」など、薬草やハーブの香りや効能がたっぷり楽しめるお風呂やサウナが魅力。
贅沢な香りに癒され、体の芯までじんわりと温まる、至福の時間を過ごすことができます。

岐阜県は、「薬草の宝庫」として知られる伊吹山をはじめ、太古から薬草やハーブと親密な関係性にある地域。
ミネラル豊富な「御前水」のお湯に、岐阜が誇る「薬草・ハーブ」を掛け合わせた、まさに”岐阜らしい”お風呂体験が叶う場所なのです。

市民にとっては、日々の入浴やサウナに通う“地元の銭湯”的存在である一方で、遠方から“温泉日帰り旅”のような気持ちでわざわざ訪れる人が多いのも納得です。


オープンしたばかりの「湯癒草々GARDEN&FACTORY」

今年10月には、敷地内に「湯癒草々GARDEN&FACTORY」がオープン。
こちらは、薬草やハーブの栽培から試験や研究、加工などができるガーデン併設のファクトリー施設で、これまでにもワークショップやマルシェなど、薬草・ハーブや温浴に関する体験イベントを多数開催してきました。

隣のガーデンでは、さまざまな種類のハーブを自家栽培。
摘みたてハーブは薬草湯やサウナのロウリュウに使われるほか、今後は湯癒草々のオリジナル入浴剤の原料としても使われていくそうです。


お風呂とハーブのプロが考えたオリジナル入浴剤

今回私がすっかり惚れ込んで、お風呂が恋しいこの季節にぜひ紹介したい!と思ったのが、湯癒草々ブランドの入浴剤の数々。
恵みの湯を運営する「日本温浴研究所」さんが考案したオリジナルの入浴剤やバスグッズなどを、恵みの湯のショップやオンラインストアで気軽に購入することができます。

開発しているのは、「ハーバルセラピスト」や「ハーブティーソムリエ」「温泉入浴指導員」「温泉ソムリエマスター」など、ハーブや温浴に関するさまざまな資格を持つ、星山千穂さん。
ご主人と一緒に「恵みの湯」や「湯癒草々GARDEN&FACTORY」を運営する傍ら、ハーブや温浴に関するプロフェッショナルとして多方面で活動する“バスセラピスト”です。

そんな星山さんが考えた入浴剤はどれもとても上品な香りで、高い効果が期待できる贅沢な配合のものばかり。
「自宅でも“本物の入浴剤”で、温浴効果やリラックス効果が得られるように」と、彼女が研究に研究を重ねた自信作です。

家にひとつ買い置きがあるだけで、「今日はじっくり温まりたいな…」という日のお風呂時間を、一層特別なものにしてくれるアイテムです。


自分でブレンド、世界にひとつのハーブ浴

オリジナルの入浴剤は目的や好みに応じてたくさん種類がありますが、私が「こんなの初めて見た!」と感動したのが、自分でブレンドして楽しむハンドメイドハーブキット「YUNIHA」です。

「YUNIHA」はヨモギやユズ、カモミール、ローズ、ラベンダーにセージ、シナモンにジンジャーなど、もちろん単体でお風呂に入れても贅沢に使える、ナチュラル素材を使った香り高い乾燥ハーブ入浴剤です。

でもこの「YUNIHA」の本当の魅力は、自分好みの組み合わせでブレンドして、自分だけの「オリジナルハーブ入浴剤」が作れること。
私は今回、ユズをメインに、星山さんもおすすめのヨモギなど、いくつか購入して早速ブレンドに挑戦してみました。

湯癒草々の公式サイトには、目的や好みに合わせて「ビューティーブレンド」「ウォームブレンド」などの基本のおすすめブレンドが紹介されているので、それをベースに好きなものを混ぜてみます。

今回私が挑戦するのは、冬至を迎えるために「ユズ」をメインにしたブレンド。
ユズをたっぷり入れつつ、さらに優しく深い香りのヨモギや、見ているだけで華やかな気持ちになれるローズ、さらにアクセントにジンジャーを混ぜてみました。

ブレンドが終わったら「YUNIHA」のハーブ浴専用の不織布に入れて、お鍋で一度煮立たせて香りを存分に出してからお風呂に入れるのがおすすめとのこと。
(ちなみにこの不織布は、植物繊維を使った自然循環型商品です)

煮立たせたお湯ごと湯船に入れて、オリジナルの香りを楽しみます。


今回のテーマは、「冬至の柚湯ブレンド」。
ユズの爽やかな香りが引き立ちつつも、少し刺激的なジンジャーの香りがふわりと鼻をかすめる、“世界にひとつの柚湯”になりました。

ブレンドするハーブや割合によって、香りが少しずつ異なるので、いろいろ試しながら楽しめるのも魅力。
柚子を果実ごと入れると肌がヒリヒリしてしまって困っていたので、こんなに穏やかに入れる柚湯は始めて…!と、冬至の夜が一層楽しみになりました。


優しくうるおい、穏やかに香る“植物浴”

もちろん、すでにブレンドされていてお風呂に入れるだけの入浴剤もたくさんあります。
こちらは、「L'HEUREUX DEMAIN」シリーズの「草木花のお風呂」。

バスセラピストと薬剤師が、 漢方医学の観点から女性の気になる症状に合わせて生薬やハーブ、スパイスを調合して開発した、高い効果も期待できる入浴剤です。

私も入ってみましたが、自然の草花の香りを感じられるとてもいい香りで、体の芯までぽかぽかと温まり、いつもより熟睡できたような気がしました。

気分に合わせて選べる6種類のブレンドで、どれも天然の植物のみで作られたナチュラルなハーブブレンドで、合成香料や合成着色料などの化学物質は一切使用していないのも嬉しいです。


まるで美容液のようなお湯で、うるおい温浴

さらに気軽に楽しむなら、パウダータイプの「Aroma Moist Bath Powder」。
保湿成分をたっぷり配合した、まるで美容液のような入浴剤です。

袋を持つと、ずっしりとした重み。
「え、これが1回分?」と疑うくらいに、たっぷり80gも入っています。

お湯に入れるだけで楽しめる手軽さ。
温泉のようにまろやかな湯質と、湯気と一緒に漂う上品な香りがたまりません。
肌にうるおいを与えてくれるとても優しい使用感で、大人はもちろん、子どもと一緒に使うこともできます。


ナチュラルなボディトリートメントでお手入れ

ハーブのお風呂でしっかり潤ったら、お風呂上がりにも香り高いボディトリートメントで念入りお手入れ。

美容効果が期待できる貴重な国産ブルーローズや、岐阜県産カモミールの濃縮エキスといった12種類の天然植物成分を配合した、「L'HEUREUX DEMAIN」シリーズのオリジナルボディトリートメントです。

ローズを基調とした上品な香りは、肌に馴染ませているだけで幸せな気分に。
お風呂上がり、乾燥しやすい肌にしっかりと潤いを閉じ込めます。


日々の習慣を、自分をいたわり癒す時間に

今回の取材で、星山さんから「日本人は毎日お風呂に入りますよね。とても贅沢な習慣を持っている国なんです」とお聞きして、改めてお風呂の時間について考えました。

ついつい面倒なタスクのひとつになりがちな「入浴」。
でも、こんな素敵な入浴剤があれば、お風呂の時間がもっともっと豊かになります。
まるで、温泉宿で何度もお湯に浸かりに行くような気持ちで、自宅の見慣れたお風呂を存分に楽しみつつ、冷えた体をしっかりといたわって上げることができるんだと思います。

私にとってお風呂は、子どもたちとコミュニケーションを取る場でもあり、たまには一人でゆっくり、プライベートな時間を楽しむ場でもあります。
そこにハーブの香りがあれば、毎日の(面倒に思えていた)習慣が、もっともっと明るく、楽しく、豊かで癒しに包まれたものになるんだなあと、星山さんのお話を聞いていて学びました。


暮らしの一句

耳たぶの裏まで浸かる柚湯かな 麻衣子

【季語解説】柚湯(冬)
「柚湯」や「柚子湯」は、冬の季語。冬至の日に入るので「冬至風呂」とも言われます。
古く、冬至の日はもっとも生命力が衰えるときだと考えられていて、柚子の実を入れたお風呂にゆっくりと浸かることで、体を養生していたのですね。
冬至は「一陽来復(いちようらいふく)」とも言われ、古来から「冬至を境に、太陽の力が復活し、どんどんみなぎっていく」と伝えられています。「昼が短い日」ということばかりに着目してしまいますが、見方を変えれば、冬至をピークに少しずつ昼が長くなり、だんだん春へ向かっていく「はじまりの日」でもあると思っています。

恵みの湯
湯癒草々GARDEN&FACTORY

岐阜県各務原市鵜沼各務原町2-68
058-260-5088
https://yuyu-sousou.com/


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