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「神様の田んぼを見に行った」 週末は愛菜家 vol.01

みたすくらすで「農」をテーマに記事を書くことになりました。いとうともひろです。名古屋を拠点にコピーライターとして活動しながら、週末にはベランダ菜園を楽しんだり、実家がある新城市でブルーベリーやお茶の栽培に勤しんだり。農作物をつくる喜びや難しさを感じています。

みたすくらすではベランダ菜園のコツや野菜にまっすぐな農家や八百屋さんの紹介、アグリビジネスの最前線などなど農業の気になるトピックを掘り下げて、ライフワークにしていきたいと思っています。記事のタイトルは「週末は愛菜家」。今後ともよろしくお願いします。

そんな私が記念すべき第1回目に選んだテーマは、私たち日本人とゆかりが深い「お米」の話。三重県・志摩エリアで「神様の田んぼ」が見学できると聞いて、さっそく足を運んでみることにしました。

神様の田んぼを求めて、三重県・伊勢エリアへ!

「神様の田んぼ」というのは、正確に言うと伊勢神宮で神々に捧げられるお米を育てる御神田(おみた)のこと。現在は伊勢と磯部(志摩エリア)の2箇所でのみ稲作が行われているのですが、伊勢の神宮神田は一般見学ができないので「磯部の御神田(いそべのおみた)」へ。神田では、平成元年の猛烈な台風で奇跡的に生き残った2本の稲穂が実は新品種だったという逸話のある「イセヒカリ」が育てられているそう。ワクワクしますね♪

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9月中旬のほがらかな週末。名古屋駅から近鉄特急で伊勢市駅へ。参道を抜け、まずは伊勢神宮の外宮へ向かいました。

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外宮の正式名称は「豊受大神宮」。お米をはじめ衣食住の恵みを与えてくれる産業の守護神なんですね。

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みたすくらすの安全な航海を祈って海上御守を。そういえば神社で扱うお金のことを「初穂料」と言いますよね。神社とお米のゆかりの深さを感じます。

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宿泊した神宮会館のエントランスにもお米が植えられていました。これも「イセヒカリ」だそう。

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伊勢神宮の祭事にも、9月に行われる「抜穂祭」をはじめ「祈念祭」や「新嘗祭」など稲作にまつわるものがたくさんあります。

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神宮会館にはお米を使ったオリジナルお菓子「ケニモルイー」もありました。

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翌朝は、夜が明け切らないうちに内宮をご参拝。

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内宮には収穫した稲を保管しておく高床式の「御稲御倉(みしねのみくら)」があります。通常のお倉のように見えますが、お伊勢さん125社のうちのひとつ。立派な神社です。

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内宮参拝を済ませ、いよいよ神様の田んぼに向かいます!
五十鈴川駅から志摩・賢島方面へ。めざす「伊雜宮(いざわのみや)」がある上之郷駅まで40分ほどのローカル電車の旅。電車の本数は1時間に1本ほどの感覚。帰りの時刻をしっかりと把握しておくと安心ですね。

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徒歩3分ほどで「伊雜宮」へ。訪れる人も少なめで落ち着いた雰囲気ですが、伊勢神宮の別宮14社のうち伊勢国外のものは伊雜宮(志摩国)のみ。さらに、神田を持つ唯一の別宮という由緒ある神社です。「いぞうぐう」とも呼ばれ、2000年も前から海の幸・山の幸の豊饒が祈られてきました。

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参拝を済ませ、いよいよ神田とご対面!
社を少し下った場所に「磯部の御神田(いそべのおみた)」が広がっています。

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珍しい黒木の鳥居の向こうに広がる一面の稲穂…!

もうすぐ収穫できそうな実入りでした。しかし、神田で作られるお米はすべて神様に奉納されるもの。儀式中での例外をのぞいて人の口に入ることはないそうです。

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無農薬で栽培されているからか、たくさんのイナゴが!
アップ動画と、飛んでいる様子のハイスピード撮影にトライしてみました。


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楽しみにしていた神様の田んぼには、とても心地よい空気が流れていました。1時間ほどのんびり過ごし、あたりまえだと思っていたお米の存在をあらためて感じながら帰路につきました。稲作は神様と人との共同作業で、命の営みを支える恵みなんですね。大地と太陽、雨、風、そして生き物たちにも感謝です。


おまけ① 伊勢のお米は激うまでした

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御神田のお米は食べられないけれど、伊勢・志摩のお米は食べてみたい!
ということで、伊雜宮の近くで米店を営まれている「はたき米店」で新米をお取り寄せしてみました。伊勢神宮に奉納されている「結びの神」を選びました。

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自宅にあった小鍋と固形燃料で自動炊飯にチャレンジ。

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炊き加減バッチリ! お米がツヤツヤですね♪

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一膳目は梅干しで。おかわりは納豆で。
モチモチ感のあるお米で粒揃い。それはもう、たいへんおいしゅうございました!
はたき米店では奇跡のお米「イセヒカリ」も扱っているそうで、新米が出回るのはちょうど10月中旬ごろとのこと。ぜひ食べ比べをしてみたいと思っています♪


おまけ② 猿田彦神社にも神田が!?

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内宮から徒歩圏にある「猿田彦神社」。みちひらきの神として人気が高いこの神社にも、実は神田がありました。

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参拝を済ませてなにげなく散策していたら「御神田」の文字が・・・

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そのまま進むと、裏手に神田が広がっていました。
神社と稲作の関係は、想像以上に深いようです。豊作をしっかりとお祈りしてきました!

■ 皇大神宮別宮 伊雜宮
https://www.isejingu.or.jp/about/outerbetsugu/
三重県志摩市磯部町上之郷374
TEL:0599-55-0038


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