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椿の森の河童伝説
物語をさがして vol.27
こんにちは。少し前まではお花見だ新学期だなどと思っていたのが、あっという間に初夏の日差しを感じられるようになり、水田や川の水もきらきらと輝いて見えます。川というと、名古屋に河童伝説があるのをご存じですか?
今回は、河童の伝説についてのお話です。
椿の森の河童
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『尾張名所図会』によると老人は名古屋城巾下門の西に隠居していた「河合小伝治」という武士であったとあります。伝承ではこうして住所や氏名がそれらしく語られることがありますが、何かリアリティがあって少し想像に迫力がつくような気がして面白いです。
さて、「椿の森」ですが、それはどこにあったと思いますか?
椿の森は、名古屋駅の西、椿神明社(愛知県名古屋市中村区則武2丁目4−10)あたりにあったそうです。
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名古屋駅の太閤通口から出てすぐのビッグカメラのある交差点、今まで気づきませんでしたが「椿町北」という名前でした。
東海道新幹線が行き来する駅のすぐそば、バス、タクシーの並ぶ大通りに居ると、椿が生えている雰囲気はまったくありませんが、椿神明社は、名古屋駅から徒歩で数分もかからない場所にあります。
ところが私はここにたどり着くまでに(Google Mapを見ながらにもかかわらず)方向をまちがえてぐるぐると、なぜか20分もかかってしまいました。
いたるところ工事中だったのでそのせいでしょうか?はたまた河童の仕業か。河童が人を騙すお話はなかったはず。結局のところ、設定が一時おかしかっただけのようなのですが・・・
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いたるところ工事中と書きましたが、名古屋駅西のこのエリアは、リニア中央新幹線の駅整備のためにリニューアル中なのでした。なんと、この椿神明社もリニアの駅に一部土地を譲るということで、2020年から大工事が入り、綺麗に整備されていました。木もたくさん伐採され、かつての姿はなくなってしまったようです。もう少し早く訪れたらよかったですね。
でも、大きな椿の木が残されていました。椿は庭木のイメージなのでこんなに大きいのは見たことがなくてびっくり。
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笈瀬川をたどって河童像に会う
お話に出てくる「笈瀬川(おいせがわ)」はかつてこの地を流れていた川。今は暗渠化・埋め立てによりその姿を見ることができませんが、かつての川筋を思いながら歩きます。
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太閤通の「笈瀬通」交差点には、2体のかっぱ像がありました。
かっぱ像は「笈瀬本通商店街振興組合が設置したもの。交差点を挟んで 男女の河童像が対になっています。
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商店街は名駅の辺りよりものんびりとした雰囲気です。平日の午前中にもかかわらずお寿司屋さん「仙石すし」の前に大行列があり、驚きました。きっと名店なのでしょう。青果店「安兵衛青果」も人でにぎわっていました。
カッパ像を探してうろうろとさまよっていると道を尋ねられてしまったのですが、調べてもよく分からず、その方はすぐそばの不動産屋さん「ミナトヤ不動産」に聞きに行かれていました。不動産屋さんなら間違いないでしょう!
商店街では、あぐらをかいた河童像が出迎えてくれました。
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かっぱの由来
昔、笈瀬川(今の笈瀬本通り)に、子共好きの一匹の「かっぱ」が棲んでおったそうな。このかっぱは力持ちの男の子に変身する特技があったんじゃ。ある日、川でおぼれている子供を助け、それから「人助けのかっぱ」と親しまれたそうな。笈瀬本通り商店街も、このかっぱにちなんで家計を助ける「かっぱ商店街」に生まれ変わったんじゃと。(笈瀬本通商店街振興組合案内板より)
かつての笈瀬川を見つめるようにしてたたずむ河童像。
これからリニアが開通しますます発展していく名古屋を見つめて何を思っているのでしょうか。
失われた自然や美しい風景の代わりになるかは分かりませんが、人の往来やここで生まれる文化がまた後世の人に語り継がれる大切なものになっていくことを願ってやみません。
笈瀬本通商店街、通称かっぱ商店街へのアクセスや店舗一覧は金シャチ商店街のホームページから見られます。
http://www.kinsyachi.com/street/detail/05033
夏と冬、年2回のカッパイベントが開催されているそうです。
カッパイベントとは・・・楽しそうで気になります!
みなさんもぜひかっぱ商店街を訪れてみてください。
参考
『尾張名所図会 附録 巻3』岡田啓, 野口道直 編
『おかあさんが集めたなごやの民話』ふるさとを訪ね民話を読む会
笈瀬本通り商店街振興組合案内板
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