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思いのままに、ちくちく。まちの家庭科室「HUKIN」

俳句と暮らす vol.24

編み棒と毛糸で、のんびりゆったり冬支度

ついこの間、木々の葉が色づきを増してきたなあと眺めていたら、いつの間にか裸木も多くなってきました。
いよいよ、本格的な冬がそこまでやってきています。

澄んだ空をふと見上げると、遠くの山々にはうっすらと雪が。
今の二十四節気は「小雪」
「小雪」には、そろそろ雪が降り始める頃という意味もあります。

寒くなると私は、編み物が恋しくなります。
冬の季語には「セーター」や「マフラー」などがありますが、「毛糸編む」「毛糸玉」「毛糸」なども冬の季語です。
温かいこたつにもぐりながら、のんびりとひと目ずつ編んでいくひとときは、冬だけの特別な、ご褒美のような時間です。


今年、話題の「まちの家庭科室」がオープン!

今年夏、岐阜市柳ヶ瀬に新たな手芸店と、手芸が気軽に楽しめるワークスペースが誕生しました。ミシンがいくつも並ぶ、まるで家庭科室のような楽しそうなスペース、その名も「HUKIN」。

作業台から、裁縫作業をする人々の楽しそうな声が聞こえてきます。

HUKINは、1915年創業の服地・手芸専門店「江戸ッ子」さんに併設したワークスペース。
レンタルスタジオスタイルでハンドメイドを楽しんだり、ソーイングレッスンやワークショップといったイベントが開催されていたりと、気軽に裁縫や手芸が楽しめる、柳ヶ瀬の新スポットです。

実はこの「江戸ッ子」さん、以前は柳ヶ瀬に店舗があったのですが、2007年に惜しまれつつ閉店。その後は本店となる羽島店一店舗のみの営業でしたが、羽島店の閉店を機に柳ヶ瀬へ戻ってくることになりました。


HUKINのきっかけは「リノベーションスクール@岐阜」

「HUKIN」誕生のきっかけは、岐阜市が主催する「リノベーションスクール@岐阜」でした。
まちの活性化を目指す空き物件のリノベーションプランとして、スクールの受講生が「まちの家庭科室 HUKIN」を発表しました。

受講生らによるイベントでの試験的な出店を経て、いよいよ立ち上げへ。
そのタイミングで、岐阜市にあるオーダーメイドの洋服屋「ス・ミズーラ」の井藤麻紀さんがHUKINの運営を担うことになり、移転オープンする手芸店「江戸ッ子」のオープンに合わせて、HUKINも晴れてスタートすることになりました。


手芸店に併設されたハンドメイドスタジオ

手芸店「江戸ッ子」に併設されたハンドメイドスタジオ「HUKIN」。
「江戸ッ子」さんの店内には、たくさんの布や手芸用品などがずらりと並んでいます。

HUKINは、「江戸ッ子」店内で購入した布や材料はもちろん、材料の持ち込みによる制作もOKな、まさに裁縫好きさんのためのハンドメイドスタンドです。


1時間550円で自由に使えるレンタルスタジオ

窓際にミシンがずらっと並んでいる、HUKINのワークスペース。
1時間550円で、自由に使うことができます。

初心者でも操作しやすい家庭用ミシンから、本格的な工業用ミシン、刺繍ミシンやロックミシンまで、ありとあらゆるミシンがずらり。
プロも使うような本格的なミシンはもちろん、アイロンや大きな作業台などが使い放題です。

針やハサミなどの基本的なお裁縫セットも一式借りることができて、糸も好きなだけ自由に使えるのもうれしいポイントです。
「ミシンは持っているから、ロックミシンだけ借りたい」という人の利用も多いそうです。

「作りたいものがあるけれど、どう作るのがわからない」という人や、「裁縫が久しぶりすぎて自信がない」という人には、スタッフのサポート付きのレンタルスタジオ(1時間1650円)という選択肢もあります。
スタジオを借りつつ、裁縫に詳しいスタッフのサポートを受けながらものづくりを楽しむことができるプランです。

過去には「子どもがハンドメイドに興味があって、やらせてあげたいけれど教えてあげられないので…」という親子さんが利用され、スタッフのサポートのもとで楽しくソーイングデビューができた!ということもあったそう。

大人も子どもも、安心して楽しくものづくりを始めるのにぴったりなレンタルスタジオです。


一着単位で通える手軽な「ワークショップ」

裁縫初心者さんでも、一着完成させることを目標に通える、オリジナルワークショップも人気です。

HUKINオリジナルデザインのサンプルから好きなものを選んで、スタッフのサポートのもとでコツコツつくる、洋裁のワークショップ(要予約)。
布は持ち込んだり店内で購入したりと、好きな色・柄でつくることができます。
型紙を取るときに、自分の体の大きさに合わせて袖丈や着丈などを軽く調整できるデザインも多いです。

しっかり時間を取って一日で完成させるもよし、隙間時間でコツコツ通いながら完成を目指すもよし、ライフスタイルに合わせて自由に通えるのも魅力です。

パタンナーの井藤麻紀さんが、HUKINのワークショップのために型紙を起こした、オリジナルデザインばかり。
着たときのシルエットの美しさや着心地の良さはさることながら、裁縫初心者さんでも作りやすいように考慮されたデザインも多いです。
手作りとは思えない高い完成度も、ハンドメイドの満足感も、両方たっぷり味わえるワークショップです。


長期的に通いたい人は「ソーイングレッスン」へ

さらに専門的な技術や洋裁の知識を身に付けることができる、最大3人までの少人数編成のレッスンも開講。
曜日や時間を決めてコンスタントに通いたい人や、洋裁仲間が欲しい人にもおすすめです。


冬季は、月2回の「編みもの自習室」も!

今、冬のあいだだけ開催されているのが「編みもの自習室」。
10月から3月いっぱい、第1土曜と第3日曜に開かれている、“誰でも大歓迎!”の自習室です。

特別何を話すわけでもなく、近くに手を動かしている仲間がいるだけで心強い、編みもの。
毛糸や材料は持参しても良いですし、「江戸ッ子」さんで購入して自習室に入ってもOKです。

編みもの自習室が開かれる第1土曜と第3日曜は、柳ヶ瀬で「サンデービルヂングマーケット」が開催されている日でもあります。
マーケットで賑わう柳ヶ瀬を楽しんだあとの、ゆったり毛糸時間というのも贅沢ですね。


コツコツ、ちくちく、ものづくりの時間の豊かさ

柳ヶ瀬にオープンしたソーイングスタジオ「HUKIN」。
コツコツと裁縫をする豊かな時間を、誰かと共有しながらできる「集いの場」でありながら、手を動かすことを存分に楽しめる「ものづくりの場」でもあります。

今後はHUKINのオリジナル型紙や布をセットにしたキット販売の計画などもあるそう。とても楽しみです。

ここ、柳ヶ瀬の「HUKIN」から広がっていく、ものづくりの輪と豊かなひととき。
暮らしを色濃く豊かにしてくれる、新たなスポットの誕生です。


暮らしの一句

消防車色の毛糸で編む帽子 麻衣子


【季語解説】毛糸編む(冬)
セーターやマフラーなども冬の季語ですが、「毛糸」「毛糸玉」「毛糸編む」なども冬の季語。編み針でひと目ずつ編んでいくゆったりとした時間は、今の季節にぴったりです。
この句は、数年前に詠んだ作品です。消防車などの緊急車両が大好きな息子のために、小さな小さな帽子を編んだ日のことを、そのまま育児日記のように書き残した一句でした(ちなみに「火事」「消防車」も冬の季語です)。

HUKIN 柳ヶ瀬ハンドメイドスタジオ
岐阜市柳ヶ瀬通2-17 江戸ッ子ビル1F
営業時間 10:00-17:00(最終受付16:00)
定休日 水曜日
https://www.instagram.com/hukin_handmade_studio/
※スタジオ利用や教室の参加などは、予約優先のものと、事前予約が必要なものがあります。詳しくはお出かけの前にお問い合わせください。



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