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「名古屋市緑区有松 CUCURI」 伝統は今を生きる vol.01
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「名古屋市緑区有松 CUCURI」 伝統は今を生きる vol.01

はじめまして。たかつじゅんやです。「日本デンマーク」と呼ばれる愛知県安城市を拠点にフォトグラファーや映像作家として活動しています。元々は製造メーカーで海外勤務をしていましたが、ふとしたきっかけからフォトグラファーとして生きていく事を決め、現在は様々な企業の広告やファッションブランドの撮影などを担当させていただいております。



…といった自己紹介が実はとても苦手だったりします(笑)。僕については「みたすくらす」を通して少しずつ知っていただけたらと。また、本業はあくまでフォトグラファーとなりますので、拙い文章については何卒ご理解いただければ幸いです。

今回、僕が担当するのは「伝統」をテーマにした記事です。
みなさんは「伝統」と聞いて何を想像しますか?歴史、継承、高級、頑固、古い、門外不出…良くも悪くも何かしらイメージを持たれているのではないでしょうか。

しかし僕の考える「伝統」は、それとは少々違います。僕は伝統を「今」と捉えているのです。

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写真は、僕がフォトグラファーとして写真撮影を担当させていただいている名古屋市緑区有松のファッションブランド「CUCURI」(読み:くくり)のファッションコーディネート。
「これのどこが伝統なの?」思われてしまうかもしれませんが、「有松絞り」の技術がふんだんに使われているファッションブランドなんです。有松は400年以上続く、浴衣の絞り染めで知られる伝統工芸「有松絞り」の産地。伝統技法で作られたものは、見た目も古臭いと思われてしまいがちですが、そうではありません。時代や生活様式に合わせて見せ方や素材を変えたとしても、技術や信念が貫かれていれば「伝統」。CUCURIはその代表的な存在だと僕は思っています。


一目惚れだったCUCURIとの出会い。

CUCURIとの出会いは約6年前。僕がまだ駆け出しのフォトグラファーになりたての頃でした。とあるきっかけで、こちらもスタートしたばかりの新ブランドCUCURIを手掛ける株式会社山上商店の山上社長とお会いした際に、写真の蝶ネクタイを見せていただきました。

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完全に一目惚れでした。

早速購入して、事務所に戻るなり、すぐにこの写真を撮影しました。そしてその時の気持ちをメールにしたため、写真と共に山上社長に贈らせていただきました。

それからしばらくして、毎年のシーズンコレクションの撮影を担当させていただくことに。片思いが実って感動したのを今でも覚えています。

CUCURIの特徴でもあるこの「トゲトゲとした個性的なデザイン」は、有松絞りのくくり技法の一つ「蜘蛛絞り」と「形状記憶技術(ヒートセット技法)」が融合して生まれたデザインです。

伝統と今の融合。

CUCURIのアイテムは現代的でありながら、歴史の積み重ねから生まれる優しさや、温もりや、美しさを感じる事ができます。また、良いモノを長く使ってもらいたいというコンセプトから絶版品は作らず、一度世に出したら半永続的に作り続け、販売し続けるというモットーもあります。もちろん、絞り部分の形状記憶が弱くなった場合は、お直し(有料)が可能です。

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CUCURIは、過去からの技術と現代の技術を集約することで、これまでにない魅力的なファッションアイテムを世に発表してきました。2019年には有名ファッション誌VOGUE JAPAN主催の FASHION’S NIGHT OUT NAGOYAにも登場。ランウェイをCUCURIが飾っています。コロナ禍においても全国の百貨店にポップアップストアーを出店するなど、「伝統工芸」という枠を飛び出して今注目のファッションブランドになりました。

山上社長に改めてお話を伺ってみた。

今回「みたすくらす」に記事を掲載するにあたり、改めてCUCURIについて山上社長にお話を伺いました。そこには、知ってるようで知らなかった意外な事実がありました。

みたすくらす_cucuri6「株式会社山上商店 山上正晃 社長」


—— CUCURIを作った際に何かきっかけはあったのでしょうか?

山上社長:CUCURIを立上げた2014年頃、有松では個々の商店が直接顧客に販売したり、アピールすることがほとんどありませんでした。ただ世の流れで問屋に昔ほどの勢いが無くなってきていて、私はまったく新しい発想で有松絞りのアイテムを販売するルートが欲しいと考えたんです。その時生まれたのが「外部のデザイナーと協力して自社ブランドのCUCURIを作る」というアイデアでした。周囲からの反対も正直ありました。そして最初は自分自身も、半信半疑(笑)。だってデザイナーからトゲトゲの蝶ネクタイやドレスシャツのデザインがあがってきた時は一体誰が買うのかまったく想像もつかなかったんですから。でも始めてみたら予想を裏切る好評で驚いたのを覚えています。

みたすくらす_cucuri10「kumo dress shirt」

—— CUCURIは有松という伝統工芸の産地に、どんな効果をもたらしましたか?

山上社長:CUCURIのアイテムは有松絞りの特徴のひとつである「立体感」を前面に出しています。いわば過去からの技術の集約で、有松絞りが浴衣で培ってきたベースがあるから表現できたアイテムなんです。CUCURIの登場で、それまでは新しいことに懐疑的だった有松の人たちの見る目がちょっと変わったと思います。有松で催事や小規模イベントを開催した際に、有松の町にCUCURIの服やアクセサリーを身につけてきてくれる人がいっぱい来てくれた時があって、その時は町を古くから支えている人たちも「CUCURIやるじゃん」って思ってくれたかなと。後、有松絞りの職人の人たちに手掛けてもらったCUCURIのアイテムを見せるととても喜んでもらえました。有松絞りの制作工程は多くの職人が関わる「分業制」なので、実は有松絞りの職人って完成した商品を見ることが少ないんです。
CUCURIの活動が町に刺激を与えて、町の他の人たちも何か新しい発信をしようと行動する。それが有松絞りという文化の元気になって、有松の発展につながればいいと思って活動しています。

みたすくらす_cucuri「mokume belt JKT」

—— 今後のCUCURIの展望は?

山上社長:CUCURIをより多くの人に知ってもらえるように、ポップアップストアの出店先や取扱店をもっと増やすこと。そしてCUCURIを知ることで有松絞りに興味をもってもらって、有松の町にもっともっと多くの人が来てもらえるようになったら嬉しいですね。有松絞りは昔から分業制(チームプレイ)で生き延びてきた伝統産業。だからこそ世の中の様々なニーズに応えることができてきました。CUCURIもそういう部分を大事に、様々な人の「点の力」を「面の力」にして、有松の伝統を守っていきたいと思います。

みたすくらす_cucuri_追加_s「kumo inside PK」


CUCURIと出会って約6年。僕の中に「伝統」という一本の軸が出来ました。
そして伝統とは何かを考えた時に、伝統とは実は「日常」なんじゃないかとも思えてきました。積み重ねた日常の変化が伝統になる。CUCURIも過去からの技術の集約で、有松絞りが浴衣で培ってきたベースがあるから「今」を表現できているのです。

今回のCUCURIの他にも、素敵で新しい「伝統」があることを今後この場で少しでも多くの方にお伝えしていけたらと思います。末永いお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします。

■ CUCURI
https://www.cucuri-shibori.com/

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