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みたすセレクション

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ココロもみたすアイテムを。 知れば知るほど欲しくなる、みたすくらすおすすめアイテムやイベント情報。
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#俳句

土地の記憶を、未来へ美味しく手渡す “文化のコーラ”

俳句と暮らす vol.19 シュワっと爽快で、今のように暑い時期に飲みたくなる「コーラ」。 炭酸の効いた「ソーダ水」や「サイダー」「クリームソーダ」などはすべて夏の季語ですが、「コーラ」を夏の季語としている歳時記もあります。 「コーラ」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか。 きっと、みなさん思い浮かべる味はひとつ、あの味だと思います。 でも今、あの味じゃない、個性あふれる“クラフトコーラ”が、今各地で人気を集めているのはご存知でしょうか。 「コーラ大好き!」という

職人の手仕事を感じるノート

俳句と暮らす vol.10 「俳句と暮らす」も、vol.10を迎えました。 毎回、季語やそれに関連する場所やモノ、人を訪ねて文と俳句を綴ってきましたが、今回は手前味噌ながら、俳句のための“道具”のお話を。 夫と二人で営んでいるデザイン会社では、俳句のための文具ブランド「句具」を運営しています。 先日ご紹介した二十四節気カレンダーや、俳句を書くためのノート2種、俳句を額装して飾るためのカンバスや、ポストカードなどがあります。 今回の主役は、俳句を句集のように綴っていくため

「山のいのちをつなぐ、春の森の香」 俳句と暮らす vol.09

まだ寒さの厳しい2月ですが、そのなかに少しずつ、春を感じ始めています。 みなさんにとって「春の到来を感じる瞬間」って、どんな一瞬でしょうか。 道端のたんぽぽやつくしに気づいたとき。 いつも通るあの道に、桜が咲き始めたら。 和菓子屋さんに並ぶ、桜餅や草餅を見て。 「春が来たなあ」と感じる瞬間は、人それぞれですよね。 今回訪ねるのは、飛騨高山。 この春、我が家にお迎えしたばかりの “春の森の香り” のお話です。 香りで春を告げる山里の花、辛夷 「辛夷(こぶし)」は、山

「二十四節気でめくるカレンダー」  俳句と暮らす vol.06

2月のはじめ、節分の頃になると、天気予報士さんがよく「暦のうえでは春ですが…」という言葉を発します。 この言葉の中にはおそらく「立春を迎えたとはいえ、まだまだ寒い日が続いていて、春って感じじゃないですね」みたいな意味を含んでいると思うのですが、実はいつも、この「暦の上では」という表現に違和感をおぼえてしまう私がいます。 2月4日頃というと、まだしっかり寒いころ。 確かに、一般的な「春」の温暖なイメージとは離れているかもしれません。 でも、季節というのは「この日からこの日ま

「新聞で研ぐ包丁のしなやかさ」  俳句と暮らす vol.05

「包丁始」。 聞き慣れない言葉かもしれません。 これは「ほうちょうはじめ」と読む、俳句の季語のひとつです。 「包丁始」は、年が明けた正月、包丁やまな板を使った台所仕事を、今年最初にすること。 料理のような毎日のタスクも、“今年初めて”という意味の「始」が付くことで、ほのかな特別感とめでたさ、これから始まる一年への期待感が漂います。 きょう訪れるのは、岐阜県関市。 清流・長良川が流れる美しい水系、山あいに広がる豊かな自然。 良質な焼刃土や豊富な松炭に恵まれたこの土地は、